恋ディス3巻はオムニバス感が強い。入れ替わり立ち代わり、多くの登場人物のエピソードが描かれる。
実は1巻から登場しているのだが、言及してこなかったキャラクターが一人いるので紹介しよう。有元知子。職業、美容師。性嗜好、同性愛者。そして、その想い人が誰であろう、まほ先生である。この巻のいくつかのエピソードで主要な役回りを演じる。
- 作品名:恋愛ディストーション(3)
- 作者・著者:犬上すくね
- 出版社:小学館
- ジャンル:青年漫画
- 掲載誌:サンデーGX
恋愛ディストーション 第3巻のあらすじ
この巻で、小向井と知子が出会う。小向井はプレイボーイで、知子は巨乳であるので(対象関係が成立していないように見えるかもしれないが小向井にとってはそれが重要なのである)、さっそく粉をかけ始める。が、当然ながら、あっさり突っぱねられる。
小向井が今後作中でプレイボーイの切れ味をまったく発揮できないのは、この難易度の高い恋にこれから血道を捧げていくことになるからである。
それから、この巻が初登場の重要な女性キャラクターがもう一人。機織紡。真のバイト先のOLである。もっともこの巻ではまだチョイ役だが…一つ、一目でわかる重要なファクターを持っている。つまり存在そのものが伏線なわけだが、このお姉さんは、棗に似ているのだ。外見が。要するに真の好みストライクなわけである。
恋愛ディストーション 第3巻のネタバレ&感想
ネタバレというか、なんというか、知子は同性愛者であるが、実は男性経験がないわけではない。高校の頃、ボーイフレンドがいた。その逸話に一話が割かれる。知子は屋上でアンニュイな雰囲気で煙草を吸うような種類の少女だった。よく屋上で会話を交わす同級生が、そういうのやめろよ、と言う。
「あんたも吸いたくて屋上にいるんじゃないの」
「そうじゃない。君に会いたいからここに来るんだ」。
……はぁ。青春っていいなぁ……。
ちなみに、知子はこの時のことを思い返しながら、「男の子とはあの一度だけだけど、あいつの事、あたしも好きだったのかもしれないな……」「あー恋人欲しいなあ 男でも女でもいいや」と一人ごちる。若干バイの気がある、つまり、小向井にも多少は希望の芽があるというわけである。
その小向井は、この巻で、わんこ(真)とS(江戸川)を相手にプレイボーイ的恋愛論を一席ぶつ。
「お前らさ、コロッケが大好きだからって、毎日おかずがコロッケだったら、飽きないか?たまには肉とか野菜とか点心とかこってり豚骨とか 食べたくならんのか?男なら」。
こいつは割とサイテーです。
ちなみに、作者がいうには、この話に対して「恋人は おかずじゃあない 恋人とは ごはんです だから 飽きません」と言った人がいるそうな。
さて、オムニバス巻なのでどの話を紹介するかは筆者の裁量次第であるわけだが、2巻までの紹介をお読みいただいた方ならご想像に難くない通り、まほ先生主役エピソードを独断と偏見でチョイスさせていただく。
24話、「それはせんせい」。
この巻では、まほ先生がごきげんななめというか、超不機嫌である。職場でちょっと、否すごく嫌なことがあったからだ。もっともその内容は重要ではない。とにかく、まほ先生は据わった目をして帰宅する。すると江戸川がいる。まほ先生が呼んだからいるのだが、ここでまほ先生の不機嫌が爆発する。
いや、ケンカになるのではない。逆だ。S彼氏を押し倒すのである。攻守逆転だ。
「ま、待て!まほ、ちょっと待て!」
「まほ、じゃない。せんせい、と呼びなさい」
先生ィィィィィィ!まほ先生ィィィィィィィィィィィィィィ
ちなみに、まほ先生のこんな一面が見れるのはこの巻、この1話限りである。ちょっとだけ寂しい。
3巻の終わりはこの24話の終わりの部分である。まほ先生、職場で一人の教え子に話しかけられる。早乙女くん、というのだがー。
といったところで、この巻はこの作品としては初めて次巻への引きで終わる。
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