コドモのコドモ(2)
著者 さそうあきら
出版社 双葉社
ジャンル 青年漫画
漫画「コドモのコドモ」2巻のあらすじ
2巻である。「出産まで185日」の日から、「あと14日」の日までが描かれる。
春菜の妊娠が、まず美香という、学級委員の少女に知られてしまう。そこから数人に知れ、さらにはクラス全体に伝わってしまい、街で噂になるところまではいくのだが、あまりにも突拍子のないことで、信じる大人は誰もいない。
1巻から登場している女性教師であるが、かなりどうしようもない人物であり、生徒と対立を起こした挙句、クラス崩壊を招いてしまう。春奈が妊娠している事実はクラス全体の共有するところとなっているのだが、この女気付きもしないのである。
しかし、最後に一人だけ、大人の中から理解者が現れる。春奈の祖母である。大人たちの中で誰よりも最初に春奈が妊娠した事実を見抜き、そして、春菜を悪く言うような大人がいたら自分が守るから、と春菜に告げるのである。これが、残り14日の日だ。
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1巻はこちら
漫画「コドモのコドモ」2巻のネタバレ&感想
重要な伏線というか、クローズアップされるキャラクターが2人いる。一人は美香。もう一人はミツオと言って、小学生であるが町の産婦人科医院の息子である。
春奈の妊娠の事実を知った後、父親の仕事場を見学し始めたりして、いろんなことを意識し始めているのだ。
美香の方は、眼鏡の優等生タイプというだけでただの子供ではあるのだが、こちらもやはり春奈のことを(ある意味本人以上に)深く考えるようになり、例えば堕胎の可能な限界週数について調べ上げ、春奈にタイムリミットぎりぎりの今のうちに堕胎した方がいい、と勧めたりする。春奈は産む意志が固く、拒否するのであるが。
学級崩壊についてだが、直接の契機となったのは小鳥の死と、ピンポンダッシュ事件だ。クラスで飼っていた小鳥が死ぬ。どうも、原因は先生(八木という)がカーテンを開け放しにして日射病だか熱射病だかを起こさせたことらしいのであるが、八木先生はその日の小鳥当番であった美香に責任を押し付けた挙句に逆切れする。
美香は、小鳥のことより何より春奈のことについて、誰か大人に相談しなければならないと考えるくらいの常識を備えており、常識的な線として八木先生に相談するつもりでいたのであるが、この一件で「この教師ダメだわ」と判断するに至り、結局相談相手を持ちかける大人がいなくなってしまう。
ピンポンダッシュ事件というのは、たいしたことではないのだが、学校にピンポンダッシュをした生徒がいて、八木先生が例によって雑な流れでクラスの生徒に適当に濡れ衣を着せたところ、直後に真犯人は別の生徒であったということが判明するのである。これで、この教師は完全に生徒たちからの信頼を失った。そして学級崩壊という流れである。
ちなみに八木先生がこんな調子なのは、一つにはストーカーに付きまとわれているせいではある。ストーカーとは誰かって1巻に出てきた彼氏(既に別れているので元彼)である。1巻の時点で屑野郎なのは分かっていたが、想像以上のどうしようもない輩であった。
こんな調子で、とにかくほんとに出てくる大人が馬鹿でダメな大人ばっかりであるため、2巻ではおばあちゃんの存在がただ一つの救いみたいになっている。先のことを心配する春菜に対しておばあちゃんは言う。
「人の体はうまいことできとるもんじゃ 赤ちゃんを産めない体に赤ちゃんはできんよ」
そして、人生台無しだ、みたいなことを言い出す春奈にさらにこう言う。
「人生はな 考え方次第でどうにもなるもんよ 少なくとも その子の人生はもう始まっとるんだ」
「この子は春奈から産まれるために 今ここにおる そのことだけは考えるんだよ」
なんと感動的。といったところで、3巻、最終巻へと続く。
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