JUMBO MAXの第5巻。前に佳境だと書いたが、物語は大きく動く。
JUMBO MAX【5巻】あらすじ
建男の復讐計画そのものはごく単純なものであった。警察とひそかに接触し、福地を筆頭に自分自身も含めてJUMBO MAXに関わった全員をお縄として事件そのものの収束をはかる。自分は罪の償いをするのである。そういうものだ。
そもそもそのために戻ってきたので、新しい現場でJUMBO MAXを作り始めるわけだが、鹿子は「ここにある原料の質が悪いのでお前でもここでは良質な薬は作れない」と言う。
だが、鹿子が思っている以上に建男の密造人としての腕前は優れていた。建男は質の悪い漢方薬（人間の胎盤を利用したもの。それ自体が違法な品）を利用して、JUMBO MAXを作り始めるのだが…。
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JUMBO MAX【5巻】ネタバレ
長い時間をかけて、JUMBO MAXは再び完成した。とりあえず十錠ほどである。そこで、鹿子が「これは私が開発した新しいもの」と言って、数錠の薬を渡す。
「質のいい漢方薬があまりなくてもなんとかなるように新しい配合を考えた」と言うのだが嘘である。実際にはそれは、飲んだ人間を殺すために作られた、事実上はただの毒薬に過ぎない代物であった。ここには鹿子の方の計画が秘められていたのである。
さて、建男は新しく作ったJUMBO MAXを福地に渡す。福地が飲むことを期待していたわけだが、彼はそうしなかった。飲む気はあるのだが、慎重なのでとりあえず第三者（客）に毒見をさせるわけである。効果は抜群であった。ちなみに客が飲んだのは建男が作った薬の方である。
そのあと建男は刑事大佛に接触する。一通り状況を説明して、福地をお縄につけてくれ、自分も一緒に捕まるから、という計画を話し、場所などを説明したのだが。
その現場において、福地はあろうことか鹿子の薬の方を飲んで、死んでしまった。鹿子の計画によって、建男が裏をかかれたという形である。
異常事態に気付いた大佛の部下が、その場に飛び込むのだが、その場には福地の部下がいて、部下の刑事に襲い掛かって逃げようとする。アパートの二階なわけだが、もみ合いの末、落下して福地の部下も死んでしまった。大佛の部下の方も大怪我をした。
建男はその場にいて、そのまま逮捕されるつもりでいたのだが、ひそかに（建男には内緒で）現場にいた末兼が建男を救出する。このまま逮捕されたらすべての罪を背負う羽目になりかねない、というわけである。
いっぽう、鹿子たちが監禁されていた工場には警察の救助が入った。鹿子たちは「自分たちは監禁されて薬を作らされていた被害者」という主張を貫き、無罪放免を勝ち取ることを目的としている（たちというか鹿子ひとりの計画だが）。それは割とまんまと図に当たったように見える。
大佛は部下の病院に見舞いに行ったが、奥さんに追い返された。脊髄損傷で、最悪もう歩けないそうである。かろうじて生きてはいたが。
建男は例のサウナの女に会いに行く。この先の物語はこの女がキーパーソンになっていくらしい。
JUMBO MAX【5巻】感想
福地という小悪党、話を引っ掻き回すだけ引っ掻き回して割とあっさり死んでしまった。建男は彼を恐れていたが、大佛は割と馬鹿にしていたようである。建男は大佛から福地の素性を聞かされている。要するにただの詐欺師程度の人間だ、と。
割と多くの人間の死に関わっていることを刑事に知らせて福地を陥れようとした建男ではあるのだが、死んでしまったのではもうどうしようもないなあ。
ちなみに巻末には次巻予告が載っているが、前述のように今後のキーパーソンはサウナの女と、ついでに刑事大佛のようである。では、またいずれ次巻の紹介で。
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