天才芸術家である森田が帰還「ハチミツとクローバー」第5巻のあらすじ・ネタバレ感想

ハチミツとクローバー(5)
ハチミツとクローバー(5)
作品名:ハチミツとクローバー(5)
作者・著者:羽海野チカ
出版社:白泉社
ジャンル:少女マンガ

ハチミツとクローバー  第5巻のあらすじ

竹本君が成果のない就職活動に疲れ果てた末、血を吐いて倒れる。
そのまま入院。胃潰瘍であった。

真山は藤沢事務所を出て、リカのいる事務所に出戻りする。

そして満を持して。森田が帰ってくる。順番は前後するが、この話からしていこう。

ハチミツとクローバー(4)

ハチミツとクローバー  第5巻のネタバレ

森田がアメリカに行って何をしていたのか、ようやく明らかになる。なんと、ハリウッドで映画を作っていたのである。

作品名は『スペースタイタニック
それが、「モカデミー賞」という、明らかにアカデミー賞のことだと思われるが、とにかくその賞の、視覚効果賞に輝き、授賞式の模様が日本でも流され、そこで初めて、仲良しグループの面々は森田がアメリカで何をしていたのかを知るのである。

ちなみに。現実の世界における、日本人のアカデミー賞受賞歴を見ると。「外国語映画賞」と「アニメ関連の賞」を除外すると、本当に数えるほどしか受賞者はいない。一番有名なのは、『ラストエンペラー』の作曲賞の坂本龍一であろう。

とにかく、森田のやったことというのは、とてつもなく物凄いことなのである。

ところで、視覚効果賞って具体的に何をしていたのかといえば、森田はCG製作などを担当していたらしい。彼は美大では彫刻科の所属であるわけだが、基本的に何でもできる。絵も描けるし、楽器の演奏すら天才的である。超人的といっていい。

ちなみに森田が台詞の中で明言しているのだが、仕事のギャラは「4億」だそうである。だが、森田はある事情で大金を、非常に多額の大金を必要としているため、まだ足りない。森田が強欲なわけではない。

これには重要な理由があるが、語られるのはまた後の巻の話となる。

そして森田はようやく大学に帰ってくる。ちなみに、森田はこの時点で大学8年生。

この学校は8年生が上限であるらしく、この年度で卒業できなければ退学処分となる。彼が大学に帰還するのは、卒業制作提出期限ギリギリである。森田は、「黄金の像」を、指導教授に手渡そうとする。あの、アカデミーのいわゆるオスカー像にそっくりな像である。だが教授に言われる。

「お前は天才だが ここは彫刻科だ 彫刻を仕上げなければ卒業は認めん」

だが、実はそれは、映画の賞で受け取った像ではなかった。よく似ているのだが、違った。それは、森田が、自分の手で、純金の塊を丸彫りして作った、「自分像」であった。

こうして、森田はついに大学を卒業し、4月から日本画科3年に編入し、また戻ってくる。

どういう理由があってそんなことをするのかはまったく不明であるが、そうなのだから仕方がない。

ちなみに、竹本は卒製が完成寸前であったが、就職先もないし、留年を決める。

真山はといえば、着実に理花との距離を詰めている。執念深さでいえば、真山以上の男はこの作中にはいないのだ。

ハチミツとクローバー  第5巻の感想

笑える。

モカデミー賞授賞式に金髪の頭(ウィッグか何かだと思われる)で現れ、「ボンジュール!」とか言い出す森田が本当に笑える。モカデミー賞はアメリカだ。なぜボンジュールなのだ。

森田はもともと変人だが、彼の奇行は再登場以降、もはや完全に暴走し、わけがわからなくなっている。

アカ……モカデミー賞を取って帰ってきて、マスコミで報道すらされているのである。就職先など引く手あまたであろう。何のつもりで日本画を学び始めるのか。これについては最終巻まで読んでも結局分からない。

単に、寂しがり屋だから、友達が大勢いる大学に戻ってきたかっただけなのかもしれない。森田というのはそういう男である。

ところで前巻は真山が理花を車でさらうところで終わったわけだが、5巻は野宮が「どっか連れて行ってくださいっ!」と(100%、自分を見てくれない真山に対するあてつけで)言い出した山田を、本当に車で連れ去るところで終わる。

というわけで、次巻へと続く。

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