- 作品名:CYNTHIA_THE_MISSION(3)
- 作者・著者:高遠 るい
- 出版社:一迅社
- ジャンル:女性マンガ
目次
漫画「シンシア・ザ・ミッション」3巻のあらすじ
2巻の終盤あたりからだが、この作品で一番重要なキャラクターが登場してくる。
シベール・ロウ。シンシアの実の姉である。シンシアの姉であるのだからシンシアと同じで、代々続く殺し屋一族に生まれた身なのだが、あまりにも殺しの才能がありすぎて、自由人過ぎて、束縛されるのが嫌いで、フリーで殺し屋をやっている。
といっても郷里と縁を切っているわけではないので、シンシアの元の雇主からも仕事を受けることはある。今回受けたのは、「足抜けしようとしているシンシアを連れ戻す」という任務である。
シベールはシンシアを溺愛している。溺愛しているのだが、頭がイカれていて愛情表現が歪んでいるので、シベールの愛情はとりあえず「小手調べに部下の殺し屋を差し向ける」という形で示される。
その殺し屋(当初は3人出てくる)の一人、巨漢のロシア人キックボクサーイリヤ・グレンチコ(男)と、シンシアとの対決が主に3巻で描かれる。
漫画「シンシア・ザ・ミッション」3巻のネタバレ
グレンチコはキックボクサー上がりであるが、その後ロシアでエージェントをやっていたので、実質的にはスパイ兼殺し屋みたいなキャラクターだ。最初の仕掛けは、毒物である。小さな暗器から飛ばされる小さな弾を陰から撃ち込まれ、シンシアは寝込む。
そのことを発見し、慌てるのは弑である。いや、シンシアを心配しているわけではあまりない。
主人格の果苗の友人であるからある程度は心配する、くらいの多少の感情はあるが、それより、いちおう友人づきあいをしているシンシアがそんなあからさまに裏稼業の殺し技を使うような輩に狙われているのでは、自分も巻き込まれる可能性があるからだ。
シンシアはプロであり、毒物への耐性も鍛えているので、すぐに回復するのだが、結局グレンチコ本人の襲撃を受け、対決することになる。
グレンチコは、シンシアが過去に師匠を殺した、ということに興味を持っていて、戦闘に入る前にそのことについて問う。いや、別に絡め手から精神攻撃をしたいわけでも咎め立てをしたいわけでもなく、彼も自分の師匠を殺していて、シンパシーを感じているからである。
グレンチコは、凶暴な人物ではないが、内面に根深い獣性を抱えている。師匠を恩人と承知の上で、殺さずにいられなかったらしい。一方シンシアは、師キャラダインを殺したことを結局トラウマにしていて、なんとこれからは不殺を貫くと宣言する。
グレンチコはかなり強いが、例によってシンシアはもっと強いので、苦戦しながらも倒す。
シンシアはとどめを刺さないのだが、弑がグレンチコを拉致して拷問にかけようとする。ところが弑がいない間に、グレンチコの仲間の一人だったブリギットという少女の殺し屋がやってきて。グレンチコを殺害する。
そこまでならありがちな話であるのだが……問題は、ここからである。
弑がその場に(自宅なのだから当たり前といえば当たり前だが)戻ってきて、そのままブリギットと対決になる。
二人とも美少女なのであるが、凄腕の殺し屋同士で、全力全開で、極めて限りなくえげつない残虐バトルを繰り広げる。ここが、ほんとうに、見どころなのだ。この漫画全体を通してもトップクラスかもしれないくらいの。
漫画「シンシア・ザ・ミッション」3巻の感想
グレンチコもそれなりにキャラが立っていて面白いのだが、ブリギットと弑の戦いというか、実力に大差があるのでより本質的にはブリギットが弑に蹂躙されるシーンと言った方が正確ではあるのだが、その前にはすべてがかすむ。極めつけのワンシーンはこういうものだ。
「足先の仕込みナイフで股間に蹴りを入れて、全力で突き刺す」。
重ねて言うが、美少女同士のバトルでこれなのである。噂話程度に聞いた話であるが、このあたりのシーン(場面自体は次巻へと引くのだが)、海外でまで大きく話題になって、「ブリギット」というキャラクター自体、その界隈では相当著名であるらしい。
世にリョナ好きの種は尽きまじと言ったところか。