血の轍・9巻ネタバレ感想

血の轍(9巻)

押見修造先生の漫画「血の轍第9巻。今回も衝撃だらけである。さらに今回は大増ページである。そして静一が過去、毒親である母、静子に何をされたのか遂に明かされていく。

さらに静一にも大きな変化が現れてくるのが第9巻の大きな見所である。

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血の轍

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血の轍(8巻)

血の轍【9巻ネタバレ】

血の轍(9巻)

69話ネタバレ

修羅場が描かれていく。しげちゃんを自ら突き落としたと認める静子。伯父、伯母は目の色を変えていく。夫は冗談だろと半信半疑の様子。

『一郎、冗談のわけないんべに…本人が白状してるんべにが!』

表情が一変…鬼のような形相になっていく伯母。そして静子に対して罵声を浴びせていく。さらに静子の事を最初に会った時から気持ち悪かったと胸の内を明かしていく伯母。

そして黙っていた伯父が立ち上がる。

『謝れ、土下座しろ…おまえら全員だよ』

父親だけが静子を庇っていく。違う…何かの間違いだと…。そんな彼を殴打する伯父。静子の髪を引っ張る。それを見た静一が伯父に飛びついて腕を噛んでいく。

暴れる静一を伯母が制止。
伯父は静子の髪を掴んだまま、頭を地面に押さえつけていく。謝罪しようとしない静子に向かって『謝れ』を連呼していく伯父。

『警察に行きましょう』

70話ネタバレ

ようやく口を開いた静子。
しかし、謝罪の言葉は一切に口にしようとしない。見兼ねた伯母。

『もういい…はやく警察に連れてくんべ…』

父親は涙を溜めながら静子と二人で少しだけ話しをさせて欲しいと懇願。しかし、拒否する静子。伯父と伯母に連行される中、静子は夫に『離婚して…私はもう戻らないから』と伝えていく。

玄関前では静一も悪あがきを見せていく。

連れて行かれる母親の足に抱きついて泣きじゃくる。そんな彼に静子から懺悔とメッセージを送っていく。

『もう嘘つかなくていいから…ごめんね、たくさんひどいことして』

これから静一の好きなように生きて…と語る静子。最後に涙を流して…。

『いいママになれなくて…ごめんね…』

最後に静一を抱きしめていく静子。

71話ネタバレ

伯父と伯母に連れられて警察へ送り届けられる静子。静一は泣きながら車を追いかけていく。

すぐに父親が車を出して伯父、伯母を追いかけていく。父親は静一に自宅で待っているように指示を出していく。

一人になって自宅へ戻る静一。
各部屋を覗きながら自室へ。もう泣き止んでおり、冷静な表情。自室に入ってベットに座る静一。窓越しに空を見て、深呼吸をしていく。

『はぁ…』

なんと言うんだろうか…面倒な事が終わった後のような少し清々したよう表情を見せていく。

72話ネタバレ

公園で吹石と二人きりの静一。
彼女を抱きしめて謝罪。そして『長部の好きなようにしていいんだよ』と言った言葉に静一は吹石のジャージを脱がせて胸を揉んでいく。そして彼女を押し倒していく。

目が覚める静一。
夢であった。股間を見ると膨れ上がっており、そのまま静一は自慰行為に走っていく。射精した手を見ながら恍惚な表情を浮かべていく静一。

起きると外は真っ暗。
静一はカップラメーンを作って食べていく。その表情は今までと違い、どこか生気が宿った表情をしていた。そして父親が帰宅してくる。

泣き崩れる父親。

『ママ…つかまっちゃったい』

静一に謝ると共に明日、警察から事情聴取がある事を伝えていく。

73話ネタバレ

聴取の為、警察に足を運ぶ父親と静一。
静一だけ取調室に通されていく。そして担当刑事と対面。質問をしていくから正直に答えて欲しいと告げられていく。

事件のあった7月28日。
朝起きてからの行動を順番に尋ねられていく。

かなり鮮明に当日の様子を覚えていた静一。

はっきりとした口調でしっかりと受け答えをしていく。刑事の質問に対して答えていくと親戚の中での静一の立ち位置が明確になっていく。

そして崖の縁での話になると今までまともに受け答えしていた静一だが、突如どもりが発生していく。

『僕のせいでママが笑われた…僕のせいで…でもわからないふりをしてました…気付かない、見えてないふりをしてました』

そんな静一に対してさらに深堀りしていく刑事。一体何を見てないふりをしていたのかと…。

どもりが激しくなって一瞬だけ驚く刑事。そして「母がみじめ」だったと打ち明ける静一。その後、静一の母に対する言葉を聞いて何かを感じる担当刑事。ある質問をしていく。

74話ネタバレ

静一の話を続けさせる中で刑事は尋ねていく。みじめだと言った母親の事が君は好きなのか?と…。呆然状態になる静一。そして刑事が尋ねる。

『お母さんに何かされたん?』

刑事は静子が静一を怯えさせるような何か酷い事をしてこなかったかと尋ねていく。

目を逸らして否定する静一。
それ以上、聞くことはしない刑事。そして静一の話はしげると二人きりで崖に出ていった話に差し掛かっていく。

しげると二人で崖に行くと、そこへ静子がやってきた事を明かす静一。しげるが崖先で一瞬、体勢を崩し、静子がそこに寄っていく事を明かす。その後の事は『わかりません』と答える静一。

そんな彼に担当刑事が言葉をかけていく。

『君は一人の人間なんだよ…お母さんとは別の一人の人間だ』

君が感じた事や思った事を何でもいいから言って欲しいと伝えていく。刑事の言葉が胸に突き刺さっていく静一。彼は両手で目を覆い被せて崖の上での記憶を蘇らせていく。

『ママは…しげちゃんを抱きとめて…しげちゃんを突き飛ばしました』

75話ネタバレ

聴取を終えて父のもとへ戻ると弁護士の岩倉といった女性がいた。

車に戻って今後の事を話し合っていく父親と岩倉。今後の流れを父親に説明していく。

『実刑に…なるんですか?』

重い父の言葉が聞こえてくる静一。最善を尽くすと語る岩倉。そして彼女は静一に先程、刑事とどんな内容を話たのか尋ねていく。自分が見た事をありのまま喋ったと語る静一。

『それはつまりお母さんがしげる君を突き落としたって言ったん?』

『はい』

どこか悲しい表情を浮かべる岩倉。そしてハンドルに頭を打ち付ける父親。弁護士の岩倉は『動機も不明瞭ですし、証拠が無ければ不起訴にある可能性も十分ある』と伝えていく。

その夜、幼い頃の夢を見ていく静一。
そこには幼き自身と静子。そして静子が今の静一を見遣ってくる。

『ママはみじめなん?本当は嫌いだったん?ママがいなくなるんが嬉しいん?』

何を言わず振り返る静一。
そして夢から覚める。『僕は僕のもの』と連呼していく静一。

76話ネタバレ

静一の実況見分が開始されていく。
複数人の刑事と共に事件のあった崖まで昇っていく静一。そして崖に到着。刑事は事件の再現をすると言って準備に取り掛かっていく。

しげる役を務める刑事を誘導して当時の再現をしていく。母親役も準備されており、複雑な心境になる静一。事件を思い出していくと呼吸が荒くなっていく。

77話ネタバレ

静子がしげるを突き落とすまでの過程を覚えている範囲で具体的に語っていく静一。警察はしげる役を人形に変えて突き落とす場面の再現まで行っていく。

人形を見ていると過去を思い出す静一。

まだ静一が幼稚園生くらいだろうか…。母親と供にお出掛け。着いた先は街を見渡せる丘の上であった。静一を抱っこする静子。

『わたしもうきえることにする…だからね、おまえもきえるの…せいちゃんがさきね』

78話ネタバレ

そう言って静子は丘の上から抱っこしていた静一を落としていく。

体中、ズキズキするが意識もあった静一。母親が様子を見にやってくる。冷めた表情で呟く静子。

『もういいや、かえるんべ』

怪我をした状態で静子と手をつなぎ、ひょこひょこと歩いて帰る静一。その途中に死んでいる猫を発見する。猫がどうして死んでいるのか問いかけていく静一。

過去を思い出した静一。
死んでいる猫は自分自身だと考えていく。

『この猫は僕だ…殺されて置き去りにされた僕だ』

ここで第9巻は終了である。

血の轍【9巻の感想】

血の轍(9巻)

ようやく今まで不可解だった猫のシーンに繋がるまでの記憶が判明されていく。衝撃的だった。静子といった母親はどんな闇を抱えているのか…。それとも単に性格が病んでいるのか…。

次回予告ありましたが、次は静一が壊れていく模様。吹石は静一を救う事が出来るのか…。どんな結末が待っているのか予想できない作品。

そして強烈なインパクトと毒親の恐怖を与えてくれる漫画に仕上がっています。読む人を選ぶかもしれませんが興味が出た人は是非、チェックしてみてください。衝撃を受ける漫画です!


血の轍

血の轍

原作・著者押見修造
価格660円

「惡の華」「ハピネス」「ぼくは麻理のなか」「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」など、傑作を次々と世に送り出してきた鬼才・押見修造氏が、ついに辿り着いたテーマ「毒親」!母・静子からたっぷりの愛情を注がれ、平穏な日常を送る中学二年生の長部静一。しかし、ある夏の日、その穏やかな家庭は激変する。母・静子によって。狂瀾の奈落へと!読む者の目を釘付けにせずにはおけない、渾身の最新作!!

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