漫画「今際の国のアリス」4巻ネタバレ・感想

今際の国のアリス4巻カバー
今際の国のアリス4巻カバー
作品名:今際の国のアリス(4)
作者・著者:麻生 羽呂
出版社:小学館
ジャンル:少年漫画
掲載誌:週刊少年サンデー

前回の「げぇむ」によって苅部、張太、紫吹といった仲間を失ったアリス。絶望に浸っていた有栖だったが宇佐木に助けられて一命を取り留める。食事も食べるようになった有栖は苅部が死に際に残した「ビーチ」を探す決意をして有栖の新たな物語がスタートする。

第15話 たいざいようかめ

たいざいようかめのポイント

  • アテもなく「ビーチ」を探す有栖、宇佐木
  • 些細なことで「ビーチ」に繋がる人間の手がかりを掴む有栖
  • 滞在13日目にして「ビーチ」を見つける有栖、宇佐木
  • 今際の国の「答え」を探す有栖にとって「ビーチ」は予想と違う場所だった…

第15話では有栖達が滞在8日目〜13日目の様子が描かれる。アテもなく「ビーチ」を知る人間を探す有栖だったがまったく「ビーチ」の手がかりが掴めない。しかし、あるグループに共通点を見つけグループの「げぇむ」終了後に尾行を開始。

しかし、「ビーチ」に関係するであろうグループは車を利用してどこかへ立ち去ってしまった。有栖の読みは確実に「ビーチ」に近づく。

そして滞在13日目にしてふと地図を眺めていて「ビーチ」の場所に気づく。目的地へ向かう有栖と宇佐木。

まさにそこは荒廃した今際の国に相応しくない光の当たった場所であり、多くの人間が生き生きと生活をしていた。しかし、今際の国の「答え」を求めて「ビーチ」を探していた有栖は少し落胆。ビーチではドレッド頭の厳つい兄ちゃんに「ナンバーワン」に合わせてやると言われ、立ち止まらずに前に進む有栖。

そこには「理想の桃源郷、ビーチへ」と歓迎する男が待っていた。

第16話 びいち①

びいち①のポイント

  • 「ビーチ」のリーダーは弾間 剛(通称:ボーシャ)
  • ビーチメンバーに加入する有栖と宇佐木
  • ボーシャから今際の国の「答え」を知り目的を喪失する有栖
  • ビーチメンバーに苣屋の姿が…

この話の最大ポイントはやはり「今際の国の答え」
ビーチリーダーである通称:ボーシャの話しではトランプを全て集めることで今際の国を出国できるといった内容だった。一度は希望を見出した有栖だがボーシャの口からは「選ばれた1人だけがな…」といった言葉。

そしてビーチでは、その1人を決めるためにナンバー制度を採用している。新しく加入すると最後のナンバーを与えられる。しかし、ビーチへの貢献度によってナンバーは昇格するといったもの。自分の順番が来るまで長く生き残るか…ビーチへ貢献して飛び級するか…ビーチでは他に選択肢がない。

そして、裏切り者には「死」といったビーチ特有のルールも存在している。有栖、宇佐木は自分の持っているトランプをボーシャへ差し出す。宇佐木を巻き込んでしまったこと、目的までの道程が遠すぎて落胆する有栖。

その夜、ビーチでは宴が始まる。
有栖はビーチの権力者に手懐けられたメンバーを見て「うすら寒ぃ」の一言。その言葉を聞き逃さなかったフードを被った人物がいた。それが以前の「げぇむ」で共に戦った苣屋であった。

第17話 びいち②

びいち②のポイント

  • ビーチメンバーである「クイナ」と仲を深める有栖
  • ビーチNo.2武闘派グループが帰還する
  • 宇佐木に手を出そうとするNo.2グループ
  • 宇佐木の前に立ちふさがる有栖
  • 機転を利かせ、その場を収める有栖

ビーチで「クイナ」といったギャル風の人物に声をかけられ仲を深める有栖。クイナは有栖にビーチでの立ち振舞を教える。そこへ武闘派集団として恐れられているアグリ、ニラギ、佐村のNo.2グループが「げぇむ」をクリアしてビーチへ帰還する。

No.2グループが宇佐木に気づき、手を出そうとする。宇佐木の窮地に居ても立ってもいられない有栖はNo.2グループの前に立ち塞がる。有栖は足の骨を折り、宇佐木だけを自分の部屋に連れて来いと言うアグリ。痛めつけられる手前で有栖の向いた方向にはビーチリーダーであるボーシャの姿が…

有栖は機転を利かせ、揉め事をボーシャへ気づかせる。ビーチNo.1として秩序を守る立場にあるボーシャは揉め事を止めようとする。有栖はあたかも自分がボーシャ側の派閥にいるように立ち振る舞う。

ボーシャを利用することで、その場をなんとか収めた有栖。しかし、No.2グループに目をつけられることに。ハッタリを真実にするために有栖はビーチのルールに従い、宇佐木と共に生き延びる覚悟を決意する

第18話 びいち③

びいち③のポイント

  • ビーチの死体処理場を見て驚く有栖
  • 処理場に苣屋、クイナが現れる
  • 苣屋の問いに自分自身の返答をする有栖
  • 苣屋からあるプランを聞かされ戸惑う有栖
  • ビーチのNo.1、No.3が「げぇむ」で殺られる

ビーチで自分達の味方になってくれそうな人物を探す有栖。フラフラしているとビーチの死体処理場を見つけてしまう。そこは見せしめで殺られた人間や病気、怪我で死んだ人間が放り投げられている場所。そこへ苣屋、クイナが登場する。

有栖は苣屋に「絶望しかない世界で、どう生きる?」と問われる。有栖の答えは宇佐木をビーチNo.1に押し上げて宇佐木だけでも今際の国から出国させると返答する。その答えを聞いた苣屋は有栖にあるプランを持ちかける。

場面は変わり、ビーチNo.1グループの「げぇむ」へ。
ビーチNo.1グループ側に所属するNo.6は別行動で違う「げぇむ」をクリア。その直後、部下から衝撃的な一言。光景を見せられる。それはNo.1、No.3が「げぇむ」で死んだと言うものだった。

描写では背中を打たれ海に浮かんでいるビーチNo.1であるボーシャの姿が…

第19話 びいち④

びいち④のポイント

  • ビーチでは新しいNo.1にアグニが任命
  • 苣屋のプランはビーチを裏切り、トランプを奪還することだった
  • 苣屋に裏切られる有栖
  • ビザ切れまで拘束を強いられる有栖

No.1、No.3が死んだことで今までNo.2だったアグニが繰り上げでNo.1の座へ。場面は変わり、苣屋からプランの説明をされる。苣屋のプランやトランプを保管してある金庫を開け、トランプを強奪後、ビーチから逃げるものだった。

金庫のある部屋への潜入は有栖が買って出る。

順調に部屋へ潜入して苣屋の言うとおりに行動をする有栖。苣屋から伝えられた金庫の解除コードを入力するエラーブザーが鳴るとともにアグニ率いるグループが登場。その中にはなんと…苣屋の姿が。苣屋の狙いは有栖を餌にトランプを強奪することだった。

有栖は拘束。
目、口、手足を抑えられて、どこかもわからない部屋でビザ切れまで過ごすことに。有栖の共犯者として宇佐木もニラギの手によって拘束。ニラギは宇佐木にゲスい行為をしようとして巻が終了する。

今際の国のアリス 4巻の感想

この巻では情報提供者が不明な状態ながら「今際の国の答え」について語られている。ありがちな全ての手札(ここではトランプとなる)を揃えることで今際の国を抜け出せるといったものだったが、ボーシャの話しでは手札を揃えても出国できるのは、たった1人とのこと。

ただし、情報提供者が伏せられた状態なので真意は定かではない。

そして、まさかのビーチNo.1が何者かに殺害される事件も起こる。これによって一気にビーチの勢力図が崩され、誰がボーシャを殺ったのか…といったミステリーな部分も出てきた。

最後には苣屋に騙されて拘束される有栖と宇佐木。漫画を見てもらいたいが有栖に至っては絶体絶命な状況に陥っている。4巻は非常にテンポも良く謎を残し、次が早く読みたくなってしまう展開ばかりが続く。

仲間を失った有栖の新章とも言える物語が始まるのだが最初から前途多難である。そして次巻で有栖がどのように窮地を脱していくのかも見所の一つと言える。今際の国のアリスの特徴でもあるハラハラ、ドキドキ感がよりヒートアップしていくのがここからの続きとなる。


今際の国のアリス

今際の国のアリス

原作・著者麻生羽呂
価格462円(税込)

やりきれない日常に苛立つ高校生・有栖(アリス)良平が悪友の苅部(カルベ)や張太(チョータ)とブラつく夜、街は突然巨大な花火に包まれ、気づけば周囲の人気は消えていた。夜、ふらりと入った神社で告げられる「げぇむ」の始まり。一歩誤れば命が奪われる理不尽な難題の数々を前に、アリスの眠っていた能力が目覚め始める…「呪法解禁!!ハイド&クローサー」の麻生羽呂が全くスタイルを変えて挑む戦慄のサバイバル・サスペンス、開幕!

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