漫画「醜女(しこめ)の親友~絶対アタシのほうがマシ!~」ネタバレ感想!壮絶な5つの物語が収録

醜女の親友

人とは異なる価値観を持った人達が繰り広げる壮絶な物語。

漫画「醜女の親友」は全く違うタイプのストーリーが収録されているが、それぞれに見応えがある内容に仕上がっている。「ストーリーな女たち」読者投稿シリーズのこの作品は5作品全てが読み切りで1話完結のオムニバス本である。

決して自分では経験したことのないような嘘のような話にも必見だ。

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漫画「醜女の親友~絶対アタシのほうがマシ!~」ネタバレ

醜女の親友〜絶対アタシのほうがマシ!〜

表題タイトルである物語の始まりは親友の葬儀からスタートする。主人公である北川則子(あだ名はブーコ)は親友、長尾きみよ(あだ名はおカス)の葬儀に参列していた。

おカスが自殺したのは自分のせいだと、過去の出来事を振り返る…。

ぽっちゃりな「ブーコ」と、そばかすだらけの「おカス」は小学校の時から仲良しでいつも一緒にいた。2人とも勉強が苦手で普通学級に残るか養護学級に進むか、学力テストを受けることになった。見事2人とも合格点を取り、普通学級で授業を続ける事が出来たのだが、このことがきっかけでイジメを受けるようになった。

お互いイジメられる同士、2人の絆はますます強くなっていった。中学も高校も社会人になってからも2人の友情は続いていた。しかし、ブーコはいつもどこかで「おカスよりは自分の方が上だ」という自信を持っていたのだ。

そんな自分より下だと思っていたおカスに、彼氏が出来た時からブーコの醜い心が徐々に現れるようになっていく…。

ママのおもちゃでいい!!

この物語はある女性が偶然知り合った1人の少年の信じられない話だ。

当時付き合っていた彼とは遠距離恋愛で時間を持て余していた彼女は、体型の崩れも気になり始めていたのでダイエットにいいとクラシックバレエの教室に通う事にしました。

初めて見学をしていると、真っ先に目に飛び込んできたのは、大きすぎる股間…。

バレエのレッスンを受けていた「川野栄作くん」16歳の股間が異様に大きくて衝撃を受けたのであった。バレエ入会後、レッスン時間に遅刻してしまった彼女は、ロビーで泣きながら電話をしている栄作と遭遇する。

そのまま知らないふりをして立ち去ろうとした彼女に栄作が泣いてすがる。泣き崩れている栄作を連れて歩くのは人目が恥ずかしいので自分のアパートに連れて行った。

そこで栄作が語った…。

ママのお仕置きが怖い…股間に注射を打たれている…月に1回股間が大きくなる注射を打っている…。そんな話を聞かされているとき、アパートに栄作の母がやってきた。そして栄作を引きずり連れて行った。

その後、栄作が心配だった彼女の元に再び栄作が訪れた。
栄作の話は聞けば聞く程に気持ち悪い話であった。

ママの事が大好きな栄作はママにお仕置きされても、クローゼットに閉じ込められて他人とのセックスを見せられても、自分がママのおもちゃにされても、それでもママを愛していた。

ママの話をしている栄作は興奮をし、なんと射精をしてしまった。大きく膨れ上がった股間…ズボンにシミが浮き出てきて…臭い…(笑)耐えきれなくなった彼女は栄作を1人ファミレスに残し、その場を立ち去った。

まるで、痴漢にでもあったかのような嫌な気持ちはしばらく消えなかった…。

ロマンスの神様

この作品は「今野淳子」36歳の懺悔告白物語だ。まだ20代だった彼女は結婚願望が大きかった。専業主婦を夢見て毎週合コンに励んでいた。

ある時、合コンで1人の男性「雄一」と知り合う。大企業のエリートでルックスも良い雄一を一目で気に入ってしまった淳子は、あの手この手で雄一に近づこうとしていた。しかし、雄一からはストーカーだと勘違いされた淳子は拒絶されてしまう。

このままでは終わらない淳子…雄一を酔わせて無理矢理体の関係を持ち妊娠を成功させる。

案の定、手切れ金を渡された淳子だが実家や会社を巻き込んで、強引に結婚に持ち込んだ。一方で、淳子には同棲相手が存在していた。同棲相手の名は「太田くん」。太田君とは体の関係はあるが日頃のストレス発散の為のセックスで特別な恋愛感情はこれっぽっちもなかった。

そんな太田くんからの突然のプロポーズ…。結婚する気なんて全くないが、プロポーズを断って同棲解消してしまったら家賃が高くなってしまうという事を恐れた淳子は返事を曖昧にしていた。

そんな中、雄一との結婚の話が上手くまとまった淳子は太田に報告する。

淳子が他の男に目が行ってしまったのは自分が寂しい思いをさせてしまったせいなんだと、淳子を責めなかった。

そして、淳子と雄一は晴れて結婚した。初めは渋々だった雄一だったが、次第に父親の自覚が出始め、お腹の赤ん坊に愛を注いでいた。だが、生まれてきたその子供は雄一の子供ではなかった。

そう、同棲相手だった太田の子供だったのだ。

血液型が合わない事に気が付いた雄一は淳子に離婚を突き付けた。淳子の実家は雄一の実家から慰謝料を請求され両親との関係も悪化してしまった。生まれたばかりの赤ん坊と2人…行く当てのない淳子が向かった先は太田の家だった。

太田は離婚を言い渡されてしまった淳子と他人との子(本当は自分の子)を快く迎え入れてくれたのだ。太田は実の父親が自分である事はまだ知らない…。

孵化酒

普通よりは絶対に真面目に今まで生きてきた「加納まり子」が主人公の物語。

彼女はお酒に全く興味はないが、好きな人「三森さん」に会えるという理由で会社の飲み会に顔を出していた。いつもと同じくお酒ではなくウーロン茶を飲んでその場を過ごしていた。

だが、三森が「シラフがいるとしらける」と話していた会話を偶然聞いてしまったまり子は、三森に少しでも近づきたいと生まれて初めてお酒を飲んだ。

初めて飲んだ酒は美味しい等の味ではなく、自分を解放的にしてくれる魅力にハマってしまった。

今まで話せなかった同僚の女の子とも自然と会話ができるまり子。三森とも会話が弾みその日のうちに体の関係を持った。酒は自分にとっての救い水だと感じたまり子は酒に溺れる日々を過ごすようになる。

酒を浴びるように飲む理由の一つは三森に奥さんがいるという現実から逃れる為でもあった。そして、アルコール依存症になったまり子。

お酒は、まり子にとって救い水ではなく狂い水だったのだ…。現実でも有り得そうな酒に溺れる女の切ないストーリーである。

素顔のままで!!

「山田万里子」38歳は貧乏なブス。
以前働いていたコンビニが潰れ、新たなバイトの面接に訪れた。

その時の面接官はイケメン「佐々木」だった。だが、とても疲れ切っていた。疲れの原因は奥さん。そう、彼は妻子ある家庭の父親だ。佐々木は以前、バイトの後輩と浮気をした過去があり、その時から奥さんの監視下で暮らしている。

今回も新しいバイトが入った事を知った奥さんが会社を訪れた。そのアルバイト店員が万里子だと知った奥さんはすっかり安心して余裕な表情。

万里子にはそんな事はどうでもいい。
日々、自分の仕事を精一杯こなし、自分らしく明るく働き続けた。

そんな、万里子にとって当たり前の日常が佐々木にとっては輝かしく見えていたのだ。貧乏なブス山田万里子は、後に大きな幸せを掴めるのだろうか…。是非、続きは漫画で確認をしてもらいたい!

漫画「醜女の親友」感想

醜女の親友

5作品とも1人の主人公の強い思いが共通している。

その思いは普通なのか変わっているのか…こう問われると後者の方なんだと思うが漫画に登場してくる女性の必死さは伝わってくるのだ。

醜さはあれど、必死に生きているのだ。個人的に醜女の親友を読んで昔のようなハングリー精神が芽生えだしてきた(笑)不格好でも必死に生きることの大切さ。自分の目的への執念など再認識させられた漫画であった。

非日常的な体験が漫画を通して楽しめる作品。興味が出た方は是非、チェックしてみて下さいね☆彡

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