結末…そして完結へ…漫画「娘々TON走記」3巻のあらすじ・ネタバレ感想

娘々TON走記(3)
娘々TON走記(3)
作品名:娘々TON走記(3)
作者・著者:樹るう
出版社:竹書房
ジャンル:青年マンガ

漫画『娘々TON走記』3巻のあらすじ

崑崙篇は割とあっけなく片が付く。彭祖は友好的なので、ちょっとした試練(超万里本人にとっては大変なのだが、物語としてはちょっとした)をクリアするだけで仙水をくれる。ちなみに、この彭祖は錦玉の師匠でもあり、錦玉に説教をして(皇太子に術をかけたりするんじゃない、という至極常識的な理屈で)錦玉が持っている薬も渡させてしまう。

残る薬はあと一種類となる。だが、ここからが大変である。実質的に、最終章のスタートであるといえる。

2巻の解説で説明した通り、最後の仙水は妖怪の住む山にある。妖怪たちのボスである、大きなヘビ(こっちは龍じゃなくてただのヘビの化け物だったらしい)がその薬の持ち主だったのだが……なんと、辿り着いてみるとその妖怪は人間の、凄腕の女盗賊に殺されていた。その盗賊の名は、鳳千花という。

鳳千花は、仙水を手に入れており、その仙水が欲しかったら五千両(国家予算レベルの金額)で売ってやる、と言い出す。

一行はオークションで旅の入手物などを換金、なんとか国家予算レベルの金策をして、無事仙水を入手するが、そのオークションの品を落札したのは壇貴妃(万里の継母)であり、その資金はホンマモンの国家予算から出されたものであった。

幻と言われた樹るうの漫画「娘々TON走記」2巻のあらすじ・ネタバレ感想

2017.04.29

漫画『娘々TON走記』3巻のネタバレ

仙水は七種類揃い、あとはブタさんが元に戻るだけ、となったところで、壇貴妃は何の魂胆があってのことか紅蘭に「虎になる術」をかけ、去っていく。

仙水のうちの一つ(ちなみに、最後に手に入れた、妖怪の山のもの)を使えば紅蘭を元に戻すことはできるのだが、それを使ってしまうと、万里が元に戻れない。同じ薬を別の仙人に作らせようとすると、千年ほどかかる。

で結局どうなったのかというと、万里が紅蘭に薬を飲ませ、虎から人間に戻った紅蘭が口移しで薬の残りをブタさんに飲ませ、ブタさんは残りの水を飲み、元の人間の姿に戻って、万事めでたしめでたし、となる。結局、一つしかない薬だが、はんぶんこすることはできるのでした、という落ちであった。

ちなみに、アフターエピソードで、紅蘭は5年後に妃として迎えられた、という旨が語られる。

漫画『娘々TON走記』3巻の感想

この作品は、『出たとこファンタジー』と並んで、『樹るう初期傑作の中の双璧』である。ガムシャラな荒削りさゆえに、微妙に稚拙であったりアラがあったりする部分も多々あるのだが、とにかく自由奔放な楽しさに満ちているのがこの頃の作品であるからだ。

さて。前に書いた話と多少重なる部分はあるのだが、思い出話をしよう。

樹るうは、筆者にとって思い出深い作家である。最初の出会いは、おそらく「コーヒーマン」という漫画であった(正確なタイトルではない。コーヒーマンの話は現在の単行本だと『ナチュラルハイ』という初期短編集に入っている)。コーヒーブレイクという、とうの昔に休刊した、例によってエロ漫画雑誌の箸休めページの連載作品であった。

当時のエロ漫画雑誌というのはとにかくフリーダムであった。掲載されている、メインコンテンツであるエロ漫画そのもののクオリティは明らかに現在売られている主流派のエロ漫画誌よりも低かったのだが、読者投稿ページが充実していたり、そういう楽しみが沢山あったのである。

今のエロ漫画誌にも、骨休めのギャグ四コマの一つや二つはないでもないのだが、しかしやはり、何の脈絡もなくエロなしの萌え漫画がコッテリ系エロ漫画の中に混ざって載っていた、あの時代の自由さを維持している雑誌はもう、残っていないと思う。

樹るうの初期作品群というのは、筆者にとってはそういう「懐かしい時代」の、遺産なのである。

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