漫画「しをちゃんとぼく」2巻ネタバレ感想!死を失いし者…不死者とコメディが融合した傑作ここに完結!

しをちゃんとぼく(2)

本作品は2巻で完結である。

漫画「しをちゃんとぼく」ネタバレ感想!奇妙で物哀しさを覗かせる秀逸なギャグ漫画!

2018.03.11

漫画「しをちゃんとぼく」2巻あらすじ

この作品は基本的に、数ページのショートギャグからなる。

1巻もそうであったが2巻も三十数話(一話あたりは数ページ)が収録されているという塩梅だ。

不死者、“死を忘れし者”ことしをちゃんは基本的に設定が固まっているキャラクターなので、話が大きく動くようなことは(ラストを除いて)ない。とてもお人よしなんだけどどこかズレていて抜けている不死者の日常を淡々と描いていくのがこの作品である。

最後まで基本的にはそういう感じで終わる。

漫画「しをちゃんとぼく」2巻ネタバレ

ある日しをちゃんは床屋に行く。イメチェンがしたくなったのである。だが、しをちゃんは無限の再生能力を持っているので、髪など切っても切っても生えてくる。床屋の人は困るのだが、しをちゃんもそうなることは予測していたので、代わりに「マネキン」と称するものの髪をカットしてもらう。明らかにマネキンではなく、しをちゃんの切り取った生首(首を切り取っても元通りに生えてくるので問題はない。何しろ不死なので)なのだが、床屋さんの方も一生懸命気付かないふりをして、カットはしてくれる。しをちゃんは満足して帰っていく。

ところで、問題が一つある。しをちゃんの再生能力だが、時々、たとえば指先を切り落とした場合などでも、胴体と頭のある方ではなく、指の方から再生してしまい、胴体と頭の方から意識が抜け落ちてしまうことがあるらしいのである。

何が困るって、この場合、ほぼひとり分の死体がそっくり残ってしまうということだ。ある日料理をしていたら実際その状態に陥ってしまい、しをちゃんは困り果てた末、結局自衛隊の特別部隊(しをちゃんの存在は公的にも認知されており、未知の存在などではなく、役所にも専門の対応をしてくれる部署があったりする)に引き取ってもらうことになる。

あ、ついでに書いておくと、しをちゃんの死体はほとんど無尽蔵に増殖するが、意識を持った個体だけは常に一体のみである。

2巻ではしをちゃんの過去がいろいろと明かされる。

たとえば、しをちゃんの不死性を研究しようとした個人の科学者がいたことは1巻でも話したが、軍事利用されそうになったことはないのだろうか?これが実はあるらしい。まあ、そんな掘り下げて語られるわけではないのだが、戦争中の日本などでもしをちゃんのことを研究したことがあるのだそうだ。

逆に、魔物として討伐されそうになったこともある。

悪魔かなんかと間違えられて、処刑されそうになったこともある。だが、どちらもしをちゃんにとっては特に大した問題でもない。彼は絶対完璧の不死性を持っており、何をされてもへいちゃらだからである。処刑のときなどは処刑人と仲良くなり、なんとか処刑されたふりを演じるために一苦労だったらしい。

漫画「しをちゃんとぼく」2巻の感想

しをちゃんとぼく(2)

さて、最終話である。最後のあたりの話で少しだけ、この漫画のもう一人の主役である少年が大人になったところが出てくる。ちなみにネオゴッドも出てきて、ホームセンターの店長になっていることが明かされる。

その次のシーンではどうも地球が滅んでしまった後らしく、しをちゃんは宇宙空間を彷徨っているところを宇宙人に拾われる。

それで終わりかと思えば終わりではない。何しろ、彼は永遠の放浪者なのである。宇宙人の方はそうではない。その宇宙人たちもやがては寿命かなにかで滅びたのであろう。しをちゃんは最終的に、滅びた宇宙にひとり取り残されることになる。

ここまで来てもしをちゃん自身のことは明かされないのだが、一つだけ明らかになったことがある。彼は「世界をやり直す」という選択権を持っている。そして、彼は“自分は死ぬことができず、友人達を見送り続けなければならない世界”に再び現れることを選ぶのである。

2巻で綺麗にまとまったわけだが、不死者というものの物哀しさとコメディ性をうまく拾った傑作であったと思う。


しをちゃんとぼく(2)

しをちゃんとぼく

原作・著者T長
価格570円(税別)

死を失いし者――通称「しをちゃん」。2000年以上の時を過ごしてきた彼の日常は、うっかりグロくなりがちだった。そんな不死者の周囲には、意外なほど優しさと気遣いが満ちていて……!? 日々の暮らしと気付き、死への憧憬とチャレンジと感動の終劇の第2巻――!!

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