漫画「セツナフリック」は今井大輔先生が描くSF漫画。近未来、科学の進歩によって実現しそうな題材をテーマに全8つのエピソードが繰り広げられていきます。
本当、遠くない未来に実現しそうなネタで読んでいてワクワクしました。
そして各エピソードの結末も綺麗。個人的に読んでいて非常に面白かったし、多くの人に読んでもらいたい作品の一つです。
各エピソードがどのような内容なのか簡単にご紹介をしていきます☆彡
漫画「セツナフリック」ネタバレ
ラッキーポイント
運が科学で数値化されて運を自分で運用できる時代。毎週月曜日に配布される運勢ポイントの使い方によって人生が分けるといった時代なのだ。
ヒロインである坂下はライバル同僚と企画対決。しかし、運勢ポイントの多かった同僚が大量のポイントを消費して仕掛けてくる。
どう足掻いても坂下に勝ち目は見当たらない。
そんな負け確定の企画会議に運勢最悪男である杉本と運命に抗っていく物語。杉本は良いこと言うし、ナイスタイミングでまさかの告白……！
素晴らしいエピソード☆彡
ただの運命
遺伝子レベルで相性の良い相手と引き合わせてくれる国が運営する日本結婚支援サイト「ニチコン」がある時代。
ヒロイン、清水チハルは夢を追いかける彼氏シュウジとの将来がお先真っ暗状態で破局することに。そしてニチコンへ登録してリストアップされた相手の中から一番タイプの顔の男性、ケンイチとデートをしてみることに。
デート中もシュウジの事を考えるチハルであったが、やはり遺伝子レベルで相性が良い相手だからだろうか…夜の風に混じるケンイチの匂いが好きになってしまう。
恐るべし遺伝子の相性といった感じだ。
ちなみにチハルはそのまま結婚、シュウジも働いている会社の同僚と結婚して二人共々、幸せに生活を送っていく。
完璧な保育
万全な保育管理システムが開発されて母子家庭の母であってもフルタイムで働ける時代。
子供の生活は親の手なしでも問題なく進む世の中だが、子供の気持ちはコントロールできず、子供の本心を知った時に息子との時間を大切にしようと思う母親の物語。
どんなに育児システムが成長しようと小さい子供には親の愛情が必要と思い知らせてくれるエピソード。
ちなみにこの時代では「ほんニャくアプリ」といった猫語を翻訳できるアプリが登場。人間と猫が対等に言葉のキャッチボールをできる世界になっているのだ。
このアプリ、マジで欲しいよね☆彡
ピンチヒッター
超高齢化社会の緊急措置として開発された自己介護ロボットがある世界。ロボットに自我を移して自分の体の世話を行うことができるのだ。
その機能を利用して会いたかった息子に会い、野球を通して亡くなった夫の影に思いを馳せるお婆ちゃんの物語。
オチが秀逸で「すげっ！！！」と思わず声を出してしまった。そして感動！
セツナフリック
表題タイトルにもなっているセツナフリック。10分間の疑似体験アプリ「トリップ」が世の中で大流行している世界。10分間だけ自分の知っている誰かに成りきって指定した人物の体感ができるのだ。
好きな女子の憧れる先輩に成りかわって青春を感じる山川リョータ。
しかし、突如、疑似体験アプリ「トリップ」が電子ドラッグ認定されてサービス停止。好きな女子に近づく機会をなくしたリョータは勇気を振り絞り、リアル世界で一歩を踏み出そうとしていく。
リョータが自分の思いを伝えようとした瞬間、まさかの補導。
このエピソードのオチも秀逸で驚かされました。リョータはリョータだけどこんな事になってんのか……！？といった印象。
過去の自分に似た高校生に出会い、影を重ねてやり直したかったんでしょうかね。深い物語です。
漫画「セツナフリック」感想
本筋の短編以外に描き下ろし、電子社会で感じる吐き気とそこでボクが拾ったモノ、バーチャルメモリーといった短編も収録されています。
どのエピソードも近未来には実現しているのではないか…といったネタをテーマに哀愁漂う雰囲気で物語が展開されていきます。
真夏の夜に一人で読むと世界観にドップリと浸れる作品。
全8短編共に一押しできるエピソードになっており、お勧めの一冊です。興味が出た方は是非☆彡
セツナフリック
運が数値となって現れる世界「ラッキーポイント」。遺伝子で結婚相手を選ぶ世界「たかが運命」。完全監視の保育システム「完璧な保育」。自分で自分を介護する自己介護ロボット「ピンチヒッター」。そして禁断の疑似体験アプリ「セツナフリック」。実力派作家の珠玉SF短編、表題作ほか描き下ろし含む全８編収録。いつかの未来、異常進化を遂げた世界で人間の在り方は…!?
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