人情・ホラー要素ある遊郭漫画「罰かぶり~丸山遊郭哀史~」内容やネタバレ感想

罰かぶり~丸山遊郭哀史~

罰かぶり~丸山遊郭哀史~」は犬木加奈子先生が描く作品。長崎、丸山遊郭の名店である銀波楼(ぎんばろう)を舞台に顔が醜い、呪い者と言われ続け、下働きをする阿蘭(おらん)とそれを囲む人間の物語。

1話〜3話、特別収録:人形女郎が収録されている。

独特な世界観かつ実は魅力的な阿蘭がそそられる漫画だ。一応、1巻で完結される漫画のようだが続きを読みたいと思わせてくれる不思議な作品。時代物、遊郭物の漫画が好きな方はその世界観にどっぷりと浸かれるのではないだろうか。

こういった時代モノの人情ある漫画はあまり読まないのだがサクサクと読めて非常に面白かった☆彡


罰かぶり~丸山遊郭哀史~

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漫画「罰かぶり~丸山遊郭哀史~」ネタバレ

罰かぶりな子:阿蘭は鉢を被って生きていく

この物語の主人公は阿蘭(おらん)といった男性だ。最初は女性だと思っていたが最後に種明かしがあり、男性だと気づける。阿蘭が罰かぶりと言われる由縁は出生にあった。それは火事の中、産まれ顔に大火傷を負ったから。

そして、托鉢僧(たくはつそう)のような人から阿蘭の顔を見たモノは災いが起こると言われていた。

ネタバレしてしまうが阿蘭は顔に大火傷など負っておらず容姿端麗。阿蘭を引き取った銀波楼の女将が阿蘭を守るために町人や女郎についた嘘である。

阿蘭を中心とした色濃い人間ドラマ

阿蘭をメインキャストに迎えた物語は3話が収録されている。どれも阿蘭と関わるばかり、厄災に見舞われる。だが阿蘭が悪いわけではなく、あくまで偶然や必然なのだ。

阿蘭は関わる人間を正しい道に進ませたり、遊郭を守ろうとしたり、成長させようとしたり…どうしても災いは起こってしまうが阿蘭は関わる人間に幸せを見せようとしてくれている。

阿蘭のことが好きな女郎を死に際まで面倒を見たり、盲目女性のお世話をして出世させたり、遊郭を守るため、女郎が嫌がる客を相手していたりなど…。銀波楼、女郎を守るために裏で動いているのが阿蘭なのだ。

阿蘭のことを不憫に思うかもしれないが阿蘭なりの生き方を示してくれており、読後感など非常に良いのが魅力となっている。

特別収録:人形女郎がちょっとしたホラー(笑)

6つになる鈴子といった子供が女郎屋に売られてやってくる。鈴子は容姿端麗で将来は稼ぎ頭となるよう大事に育てられる。そんな過程である人形の捨て場から1人の赤ん坊を見つけて育てようとする鈴子。

成長した鈴子は花魁としてデビューするが石女といった子が産めない体であった。鈴子目当てに来た客も抱くに抱けない鈴子を木偶人形や人形女郎などと言うように。

そこで鈴子がとった策が少女時代から育てている赤ん坊であった赤子を利用した遊び方。客に目隠しをさせ、赤子と入れ替わる。行為は赤子に任せて鈴子は声だけ出すといった方法で男たちを楽しませていくのだ。

何と言ってもこの赤子が非常にホラー要素満載なのだ(笑)もしかしたらメインである『罰かぶり』よりインパクトのあるお話である。

遊郭モノでもホラー・サスペンス色の強い漫画「罰かぶり~丸山遊郭哀史~」

罰かぶり~丸山遊郭哀史~

この漫画を描く犬木加奈子先生はホラー漫画を得意としており、数多くのホラー漫画を出版している。そのためもあるのか、女性漫画でよく見る遊郭モノとは一味も二味も違う仕上がりになっている。個人的にはホラー・サスペンス色の強い遊郭・時代モノと感じた。

独特な絵、ストーリーには引き込まれ、ホラー要素を感じる面も。

1巻完結で読みやすくも興味深いストーリー展開を見せる漫画「罰かぶり~丸山遊郭哀史~」。遊郭・時代モノを得意としない私が読んでもサクサクと読めて楽しめた漫画です。興味が出た方は是非、読んでみて下さい☆彡


罰かぶり~丸山遊郭哀史~

罰かぶり~丸山遊郭哀史~

原作・著者犬木加奈子
価格660円

長崎、丸山遊郭。そこは日本で唯一、異国の客を相手にする女郎屋が軒を連ねていた。丸山遊郭の名店<銀波楼(ぎんぱろう)>で生まれ育ち、下働きをする阿蘭(おらん)は幼いころから頭に鉢をかぶせられ、顔を隠すことを強いられていた。それは、阿蘭の顔を見た者に災厄が訪れるためだというが……。


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