漫画「原始人彼氏」ネタバレ感想!少女漫画の異世界転移モノ…原始人との恋物語!?

原始人彼氏

初見というか、表紙を見て最初の印象は「何これ」であった。

何が一番衝撃かというと、このタイトルと表紙で「花とゆめ」(ご存知ない方のために解説すると、伝統ある少女漫画のレーベルである)というのが物凄いツッコミどころだ。

漫画「原始人彼氏」あらすじ

主人公、神米美人(かみごめ みと)。農家の娘、17歳、美少女。美少女だが、米を愛し農業を愛する農家娘である。

美少女なので学校ではモテまくっているが、軟弱な男は嫌いというか、異性に対する理想の立て方がかなりハードなので、同級生の男なんぞではまったく相手にならない。

そんなミトのもとにある日突然スピカと名乗る女神が現れ、「運命の相手を探す手伝いをしてやろう」とか言い出し、未知の世界にミトを送り込んだ。

いわゆる一つの異世界転移ものである。最近は少女漫画の世界にまで進出していたのか、異世界。

漫画「原始人彼氏」ネタバレ

放り込まれた先は(多分)250万年前、石器を用いた肉食を始めて行うようになった、ガルヒ猿人(1996年に発見された。アウストラロピテクス・ガルヒとも言う)の世界。ミトの前に現れたのはひとりのガルヒ猿人の男性。言葉は喋れないが、友好的である。名前などあるわけもないが、ミトは彼をガルヒと呼ぶことにした。

ガルヒはなかなかの男前である。狩りもうまいし強い。過酷な野生の世界にいきなり放り出されたミトがかろうじて生きていられるのはガルヒがいればこそだ。ガルヒが持ってくる果物らしきものがあればこそだ。

とか思いつつ友好関係を深めていたら突然元の世界に戻された。ガルヒのことを「心に決めた相手」と言うに至っていたミトはガルヒ猿人について調べてみる。それで分かったことは、アウストラロピテクス・ガルヒは最初の石器使用者ではあっても現生人類の祖先なわけではなく、絶滅した種であるという事実であった。

その事実が分かっても、ミトはめげない。ともかく、一度行けたんだからまた行けるかもしれないという道理である。色々試したりなんだりしつつ、結局またスピカと名乗る女神に遭遇したミトは、再び異世界へとたどり着く。

辿り着いたのだが、そこはガルヒのいる場所ではなかった。今回もまた古代の世界であるらしいのだが、今回はべつの原始人と出会う。今回は複数個体、つまり群れである。もっと重要なことには、ガルヒとは外見がまったく違う(頭頂部以外の体毛が薄い)ので、たぶんこの人(?)たちはアウストラロピテクス・ガルヒではないのではないかと思う。

さあどうなるミト、というところで次巻へと続く。

漫画「原始人彼氏」感想

原始人彼氏

感想か……

筆者は少女漫画というものを読んで長い(具体的には二十数年前から花とゆめの漫画を読んでいる)のだが、まさか現代の女子高生がタイムスリップして、猿人と恋をする少女漫画を読む日が来ることになるとは思わなかった。

この漫画、とりあえずありきたりで率直な感想をぱっと述べるならば、面白いのである。

ありていなことを言ってしまえば発想自体はそんなに高度な発想ではないが、登場人物(というか、ミト)の感情の流れ、もともとの彼女の価値観であるとか、ガルヒと出会って心を開いていくあたりの流れとかに嘘がないのがいい。

異世界ものにありがちな、ハリボテの世界ではない。ちゃんと、少女がいて、(ちょいとばかり毛深いが)男性がいて、恋がある。ガールミーツ……えーと……ガールミーツガルヒである。ボーイなのかどうかは分からない(ガルヒの年齢はまったく見当もつかない。幼くはないし老人ということもないだろうとは思うが)。

ともあれ、二巻に続くのである。ミトはガルヒと再会することができるのだろうか。こうご期待。

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