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漫画「マルドゥック・スクランブル」2巻のあらすじ
2巻である。ルーン・バロットと、その最大の宿敵となるディムズデイル・ボイルドの初対決から話は始まる。
初対決とはいうが、実質的には逃走戦だ。ボイルドは元々、ウフコックのパートナーであった男だ。ドクターとも長い付き合いである。その恐るべきまでの実力を、二人はよく知っている。ゆえにバロットに命じる。「絶対にボイルドと戦おうとするな!逃げろ!」と。
ディムズデイル・ボイルドも、バロットと同じく、生体改造を受けて超常の力を得た超人である。その能力は「疑似重力(フロート)」。体内に埋め込まれた複数の疑似重力発生装置によって、ビルの壁を歩いたり、重力フィールドを展開して飛来する銃弾を逸らしたりできる。
また、バロットの力には遠く及ばないが、ボイルドも両手に移植された金属繊維によってスナーク能力を持っている。
元々が高い応用性のある能力だった上に、ボイルド自身が数えきれないほどの修羅場を潜っていて実戦経験が尋常ではないため、まだほとんど戦闘経験がないバロットと比べれば、人間とターミネーターみたいな戦力差だ。
初対決では、かろうじてバロットとウフコックが逃げ切ることに成功する。ドクターは巻き込まれて大怪我をして包帯ぐるぐる巻きになっているが、そこはさほど重要ではない。
漫画「マルドゥック・スクランブル」2巻のネタバレ
ところでボイルドはなぜ、ウフコックと袂を分かってしまったのだろうか。この漫画では、「ボイルドがウフコックを“濫用”し、多くの人間を虐殺した」ということだけが語られている。というか、原作版『マルドゥック・スクランブル』でも、それ以上のことは語られていない。
実はボイルドにはやむにやまれぬ事情があって……という話が、原作の続編である『マルドゥック・ヴェロシティ』(ボイルドが主人公になっている前日譚の長編)において語られているのだが、その話は流石に際限もなくなるしやめておこう。
さて、この巻から、ボイルドに雇われた仕事人の集団が登場する。「誘拐犬(バンダースナッチ)」。
- ミディアム・ザ・フィンガーネイル
- レア・ザ・ヘア
- ミンチ・ザ・ウィンク
- ウェルダン・ザ・プッシーハンド
- フレッシュ・ザ・パイク
5人組の改造人間の集団だ。全員が人体蒐集家で、蒐集した部位を、「自分の身体に移植することで」コレクションしている。どいつがどの部位を集めているかは、まあだいたいみんな名前の通りである。
5人組は、バロットのアジトを襲撃してくる。で、1人目としてミディアムがあっけなくバロットに返り討ちにされたところで、次巻に続く、となる。
漫画「マルドゥック・スクランブル」2巻の感想
ところで、筆者はそもそも何でこの作品(コミカライズ版)のことを知ったのか、という話をしよう。
簡単に言うと「原作」の単行本に紹介されているのである。
『マルドゥック・スクランブル』という作品は、何度もリメイクされている。完全版だのなんだの、詳しいことは置いておくが、とにかく、コミカライズが始まったよりも後に、原作者によって書き直された版があり、そこに対談だか何だかが載っていて、この大今良時版マルドゥック・スクランブルを、原作者冲方丁が激賞しているくだりがあるのだ。
それも、「これは私のイメージ通りのコミカライズだ」という類の褒め方ではないわけである。
「原作であっけなく死ぬ雑魚キャラについて、こいつその後も生き延びることにして話を進めたいんですけどいいですかと聞かれたからいいですよと答えた」といったような話なのである。
熱い話だ。
このコミカライズ2巻の巻末にも、冲方丁の短いコメントが収録されていた。「この勢い。この熱量。僕よりも上かもしれない。負けられない。そう思った」とのことである。
あんまり、コミカライズに対する原作者の評文として、見かけるタイプの文章ではないように思う。これまた熱い話だ。
といったようなところで2巻の紹介を終える。
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