カジノ編の序章!「マルドゥック・スクランブル」漫画4巻の内容やネタバレ感想

マルドゥック・スクランブル(4)

漫画「マルドゥック・スクランブル」4巻のあらすじ

ボイルド(と、おまけ程度にバンダースナッチ)との死闘で深手を負ったウフコックとバロットは、「楽園」と呼ばれる巨大な研究施設に運び込まれた。バロットは見知らぬ天上のもとで目を覚まし、楽園の住人、トゥイードルディに遭遇する。

トゥイードルディは少年の姿をしているが、バロットやボイルドの同類、つまり生体改造を受けた超人である。中は広いとはいえ、完全に閉鎖され孤立した環境にある「楽園」にいることを、自ら選んでここで暮らしている。

トゥイードルディにはパートナー(恋人という意味)がいる。トゥイードルディム。こちらも生体改造を受けた、人語を喋るイルカ(ちなみに雄)だ。

他にもまだ新しい登場人物がいる。研究施設のボスであるプロフェッサー・フェイスマン。鳥駕籠に入った生首の姿をしている。人間と言っていいのかどうか、既に微妙なラインだが、元々は首から下もちゃんとある人間であったのが、末期癌に侵された部分を切除した結果、首だけの姿になって生き延びているという怪人だ。鳥駕籠に見えるものは生命維持装置である。ちなみに、ボイルドに生体改造を施した、三人の天才科学者のうちの一人だったりもする。(このあたりは漫画版に解説があるわけではなく、原作設定について説明しております)

さて、療養中だからといってボイルドはそっとしておいてはくれない。またまた襲撃してくる。指を十本全部失っただけで生きていたミディアム・ザ・フィンガーネイルも、ボイルドの黙認のもと勝手についてくる。

マルドゥック・スクランブル(3)

漫画「マルドゥック・スクランブル」4巻のネタバレ&感想

マルドゥック・スクランブル(4)

先にちょっと、原作での話の流れを解説しよう。ミディアムというキャラクターは、ひとしきり無意味に「楽園」内部で暴れた挙句、トゥイードルディの能力(空を飛ぶ鮫を操る。能力名などは不明)で惨殺され死亡する。それで終わりである。

言っては悪いが、何の為に前回の修羅場を一人だけ生き延びて次のこの章に登場したのか分からない、というどうでもいい役回りである。

この作品では、ほんの少しだけだが、味付けがされている。だが、その「ほんの少し」によって、ミディアムというキャラクターには重要なアイデンティティが生まれることになる。

ミディアムが楽園で暴れてトゥイードルディに暴行を加えるところまでは原作通りなのだが、トゥイードルディが能力を使う前に、バロットが割って入り、ミディアムと戦うシーンが追加されている。そこで、バロットはウフコックの不在のために苦戦する。やばい、というシーンで、トゥイードルディが能力を使ってバロットを助ける、という流れに改変されているのである。

ウフコックの重要性を強調するとともに、バロットとトゥイードルディの精神的な絆の形成の上でも、意味を持つ追加のピースであるといえる。

また、重要な変更がもう一つある。ミディアムはやっぱり鮫に喰われて死ぬのではあるが、その残骸から、「記憶チップ」をバロットが発見する。ミディアムの記憶を記録したものだ。そこから、ミディアムがボイルドはもちろんだがシェル=セプティノスからも依頼を受けていたこと、また、「シェルも記憶チップを利用していて、記憶チップに自分の記憶を封じ込めている」ということまでが芋蔓式に明らかになるのだ。

記憶チップという要素の追加のおかげで、原作では本当に殺されるだけの存在だったミディアムというキャラクターが、いったい何のためにここに登場することになったのか、ちゃんとした意味が与えられたわけである。

こういう、原作の瑕疵とでも言うべき部分を改良できるコミカライズというのは、ありそうでそうあるものではない。原作者が本作を絶賛した所以はこういうあたりにあるのだ。

なお、ミディアムが死んだあと例によってボイルドが襲撃してくるが、まあすったもんだで結局またバロットたちは逃走することになり、今度は、シェルの記憶が隠されている「チップ」(カジノのチップ)を回収するために、シェルが経営に関わっているカジノに乗り込んでいくことになる。

そして、ある意味この「マルドゥック・スクランブル」という作品の中で最重要ともいえる、カジノ編が幕を開けるのであった。

というところで次巻に続く。

マルドゥック・スクランブルが試し読みできる電子書籍ストア

マルドゥック・スクランブル(4)
BookLive!のボタン
Renta!のボタン
ハンディコミックのボタン
コミックシーモアのボタン
コミなびのボタン
まんが王国のボタン

※各電子書籍ストアにて試し読み可能。電子書籍ストア内にて「マルドゥック・スクランブル」で検索すると素早く絞り込みできます。