江戸川陽一と大塚まほのグランドフィナーレへ…「恋愛ディストーション」第6巻のあらすじ・ネタバレ感想

恋愛ディストーション(6)
恋愛ディストーション(6)
作品名:恋愛ディストーション(6)
作者・著者:犬上すくね
出版社:小学館
ジャンル:青年漫画
掲載誌:サンデーGX

恋愛ディストーション 第6巻のあらすじ

まだ恋ディスの続きを紹介することができるんだ。こんなに嬉しいことはない。

さて。6巻である。大塚家がらみの伏線が、一気に、まとめて回収され、江戸川陽一と大塚まほの物語は、おおむねグランドフィナーレを迎える(この後の巻でももちろん出ては来るが)。

5巻の記事でさらりと触れた「まほの手紙がなほに渡った、ある偶然」であるが、実は陽一が深く関わっている。

簡単に言うと、その手紙は、数年前、まほが落とした。それを、陽一が拾った。当時の二人は、高校の教師と生徒である。接点はほとんどない。陽一は、その手紙に宛先が書いてあり、しかも切手まで貼ってあったので、親切のつもりでポストに投函した。

まほ先生から過去の打ち明け話と「姉が流産しかかっている」という話を聞かされた陽一は、「その手紙、出したの、俺だ」とまほに告げる。まほは顔面蒼白となり、言葉もない。

恋愛ディストーション(5)

恋愛ディストーション 第6巻のネタバレ

まほから陽一への打ち明け話であるが、もう一つ、すごい内容を含んでいる。昔の話である。まほは、ある晩、政広を自宅に呼び、なほに化け、なほのパジャマを着て、なほのベッドで、待った。そして、彼を抱きしめー。

手紙に書いてあったこと、というのは、その一部始終である。

という話を、まほは陽一に聞かせる。陽一も陽一で、多大なショックを受ける。まほの過去の内容、自分の行為について苦悩(はたから見ると、落ちてた手紙をポストに入れることに何の罪があるのかという話だし、まほもそこについて別に怒りも何もしないのだが、本人は悩んでいるのだから仕方がない)し、「俺たち、もうダメかもしれない」とまで思いつめ、真に相談する。

一通り話を聞いた真は、煙草をくれ、と陽一に言う(陽一はヘビースモーカーである)。

「え?お前、吸うのか?」
「昔な。だけどきっぱりやめたんだ。棗が煙草大嫌いだったから」
「……」
「俺は犬だよ。自覚してる。だけどな、その上で突っ走ってる」

ここからの大演説が見ものである。かなり長いのではしょりながらになるが、原文に忠実に書き起こしてみよう。

「好きなんだろ まほ先生のこと(略) だったら土下座してでも許してもらえよ(略)もっと死に物狂いでもがけよ 喉から血が出るまで謝って 捨てないでくれって足元にすがりつけよ(略) 今のお前には ダランと垂れたしっぽが揺れてるよ ご主人サマに嫌われちまった、どうしようってな 犬なら 足元にしがみつけよ!」

忠犬・大前田真、一世一代の大演説。感銘を受けた陽一は一念発起、まほの後を追う。自分の恋人をストーキングだ。で、まほの故郷までついて行く。

一方まほは、病室のなほに呼ばれ、姉妹の会話を交わす。長い話になる。お互いの想いについて、そして嫉妬について、深く語り合う。なほは、打ち明けられるまでもなく、まほの想いを知っていた。知った上で、いつも「自分とそっくりの恋のライバル」の存在に、怯えていたのだ。

「私の恋人を寝取って、ザマアミロって思ってた?あの彼氏は政広さんの代わりよね?あの子がいなくなったら また私から政広さんを奪うの?ねえまほ!答えてよ!」

ここでまほは、さらに重大な事実をなほに打ち明ける。例の晩、唇が触れさえしないうちに、暗闇の中で、政広は相手がなほではなくまほだと気付き、背を向け、無言で去ったのだという。

完全なる恋の敗北であった。まほは、プライドを全部かなぐり捨てた上での望みすら絶たれ、以後、実家から遠のいていたのである。

さて、その話を終え、まほはなほに謝罪し、病室を去る。入れ替わりで、そこに陽一がやってくる。なほと陽一は筆談を交わす。お互いが知り得ていたすべての事実について二人は情報を交換し、その上で思う。「この子、思ったほど政広さんに似てないわ」「お義兄さん、グッジョブ!」

そして二人は約束を交わす。「お互い、絶対に相手を捕まえておこう」と。

陽一はまほを追って走る。そして——。

恋愛ディストーション 第6巻の感想

この先は、詳述するまでもないだろう。めでたしめでたし、という奴である。まほ先生、お幸せに!あと政広義兄さん、マジすげえ!愛の眼力パねえ!ちなみになほのおなかの子供は男の子だそうです。

あと、山野辺の方の話もこの巻でさらに進展している。具体的にはチューまでいく。友人たちにバレるくだりもある。

江戸川陽一破局回避おめでとう!ということで友人一同集まった飲み会の席で、トイレに行っている隙に小向井にケータイを見られ、電話帳に一つだけ女の名があるという分かりやすい事実から、それがガールフレンドであると見抜かれてしまい、しかもその上電話をかけられ秋子をその場に呼び出される。(秋子はさばさばした性格であるので、面白がってその場に登場する)

筆者の、このシリーズを通じての好きなシーンの一つだ。

山野辺のあわてようが楽しい。ちなみに、初チューをかますのはその飲み会の帰りである。

ところで、最後に一つ。
これ、この問題についてこの記事の中で触れたものかどうか、非常に迷ったのであるが、ここで言わないと二度と論じる機会を得られないと思われるゆえ、この巻の話に一つだけツッコミを入れたい。

話の流れからいってまほ先生の「はじめてのひと」は陽一だと思われるのだが、陽一はそれに気付かなかったのであろうか。

まあ、物語のプロットの都合というものがあるからして、仕方はないのだろうが。

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