羽海野チカの出世作「ハチミツとクローバー」第1巻のあらすじ・ネタバレ感想

ハチミツとクローバー(1)

羽海野チカ作、『ハチミツとクローバー』全10巻。現在、新作『三月のライオン』で話題沸騰の作者の、出世作である。三月のライオンのアニメ版、映画化などが現在大いに話題となっているが、ハチミツとクローバー(以下、公式略称を用い、ハチクロと呼ぶ)も、アニメ版もあるし実写映画化もされた作品である。

ハチミツとクローバー(1)
作品名:ハチミツとクローバー(1)
作者・著者:羽海野チカ
出版社:白泉社
ジャンル:少女マンガ

ハチミツとクローバー 第1巻のあらすじ

この作品は、とある美大を舞台に、その学生たちを主役に据えた青春ラブコメディだ。1巻は全10巻の中で導入部と位置付けられる巻であり、本作品のメインキャラクターの大半が1巻の時点で登場し、基本的な人間関係が構築されていく。

まずメインキャラクターを紹介する。一応、主人公的なポジションにいるのが、竹本祐太。建築科所属。第1話の時点で、19歳、2年生。

次に、ハチクロのメインヒロイン、花本はぐみ。通称「はぐ」、「はぐちゃん」。油絵科所属。初登場時18歳。次に森田忍、彫刻科所属。長く留年を繰り返していて、初登場時既に24歳。

それから、花本修司。学生ではなく教師で、年齢は三十台。はぐとは遠縁の親戚かつ幼馴染で、はぐを美大に誘った張本人でもある。

次に真山巧。建築科、初登場時22歳。山田あゆみ、陶芸科、21歳。原田理花、学生ではなく、原田デザインという建築事務所の経営者。年齢は分からないが、花本修司と同じ頃に同じ美大に通っていたということから、ある程度の推測はつく。

ハチミツとクローバー 第1巻のネタバレ

ざっと基本的な人間関係から解説しよう。三角関係が2つある。

竹本・はぐ・森田の三人による三角関係。

そして、真山・山田・理花による三角関係である。

竹本は、はぐに一目惚れする。たまたまその場に居合わせた真山が「人が恋に落ちる瞬間を 初めて見てしまった」という有名な述懐じゅっかいをするシーンである。

実は森田も同じ場に居合わせていて、どうも彼もまたはぐに一目惚れしていたらしいのだが、森田という男は、自分の内面を他者にほとんど明かさず、道化のような振る舞いをする人間であるため、その場で気付いたものはなかった。

ただ、最初に「森田はもしかしたらはぐを好きなのではないか」と気付き始めるのは、竹本である。

はぐが誰を好きになるのかは、1巻では明らかにならない。

そしてもう片方の三角関係。真山は理花(ちなみに彼女は未亡人である)を好き、山田は真山に恋をしている。理花はミステリアスな女性で、何を考えているのかよく分からない。少なくとも1巻の時点では、自らの内面を明かすようなことはなく、クールな振る舞いに徹している。

ちなみに、山田は1巻の時点で真山に振られる。その後も懲りずにアプローチを続けるのだが、はっきりきっぱりすっぱりと振られている。

ハチミツとクローバー 第1巻の感想

筆者はハチクロをとうの昔に読み終えており、もう何度通読し直したか分からないが、1巻を読み返すたびに思うのは、「この巻は異質だ」ということである。

ハチクロはそもそも、長期連載とすることを前提に、綿密に設定を練ってから描き始められた作品ではない。なので、1巻時点では、のちの展開と微妙に食い違うようなセリフが出てきたり、そんなことがいろいろある。

たとえば、1巻では、真山は「合コンにふらふら現れて、女の子をお持ち帰りするような男である」とされているのだが、のちに真山のキャラクター像が固まるに伴い、その話はなかったことにされた。

また、単行本・電子書籍版では修正されているが、人間関係もまだ固まっていなかったらしく、のちの巻では基本的に竹本から真山への呼び方が「真山さん」であるものが「真山」と呼び捨てているシーンがあったといい、単行本化にあたり修正されているのだそうだ。

というわけで、1巻の紹介はこんなところである。この作品の「妙味」が姿を現してくるのは、この先の巻からとなる。ご期待いただきたい。

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