漫画「はじめアルゴリズム」2巻ネタバレ感想!成長緩やかだが先が楽しみな数学漫画!

はじめアルゴリズム(2)

2巻である。相変わらず、登場する数学の理論や概念は、高校数学で挫折したレベルの筆者にはどの程度のレベルにあるのか分からないほど難しい。

だが、漫画そのものは、まあいわば『ヒカルの碁』が碁の基本ルールすら知らなくても面白いのと同様に面白い。

はじめアルゴリズム

漫画「はじめアルゴリズム」2巻あらすじ

出来事的にはそうたいしたことは起こらない。ハジメは内田の住み込みの内弟子(とは言わないのかもしれないがなんかそんなようなもの)になった。内田ははぶりは良いらしく、離れに住み込みのお手伝いさんかなんか(若い女性。わりと美人)が住んでいて、ハジメはおませなことにその人が気になったりもする。

ハジメは手嶋ナオとの出会いを経験する。ナオはわりとかなり性格が悪く、「お前は才能がない」とか「数学なんかやめた方がいい」とか散々に言ってくるのだが、ハジメはすごい天然というか天衣無縫そのものなので、まったく言われたことを聞き流している上に、ナオが見せた数式に感動して「もっと数学の先を見たい」といったようなことを考えたりする。

ハジメは高度な数学にどんどん進んで行こうとするのだが、内田がダメだしをする。ハジメは系統的教育を(小学校の算数くらいしか)受けたことがないので、基本がなっていないのである。そこで、何をするかというと計算ドリルだ。四則演算レベルの。問題を解けるかどうかが問題なのではなく、基礎をしっかり叩きこむことが大切、というわけである。

ハジメは嫌がるし怒る。が、内田も譲らない。で、叱りったり怒鳴り返したりを繰り返しながら、なんだかなんだでハジメは計算ドリルを解いていく。

このあたり、『スラムダンク』で言えば「主人公がバスケ部に入部した後、延々とドリブルの練習だけをさせられてうんざりする展開」とそっくりである。スラムダンクの主人公も天才である。指導する側もそれに気付いている。だが彼らは天衣無縫の天才なので、計算ドリルを解かせなければならないし、まずはドリブルから教えなければならないのである。

漫画「はじめアルゴリズム」2巻ネタバレ

ところで、手嶋ナオは天才少年だが、数学の世界に身を置く者ならだれもがその名を知る、というほどに名を馳せているわけではないらしく、内田は当初その名を知らない。だが、調べてみて、とんでもないことに気付く。

端的にいえば手嶋ナオの祖父もまた内田と同じ「挫折した老数学者」であり、内田の古い友人であり、そして孫のナオに自らの夢を受け継がせようとしているらしいのである。つまりハジメとナオがライバル同士であるのと同様、その師ふたりもライバル関係にあるというわけだ。

2巻ではそのほか、ハジメが家出したりまた戻ってきたり(内弟子の世界ではよくあることであるらしい)、ナオがテレビの取材相手に「リーマン予想をこの手で解き明かしてみたい」みたいなことをブチ上げてごく一部(内田とか)の顰蹙(ひんしゅく)を買ったり、ハジメがなんだかんだの末に数学検定一級に挑戦することになったり、と言ったようなことが描かれる。

漫画「はじめアルゴリズム」2巻の感想

はじめアルゴリズム(2)

2巻が終わったが、上でも言ったように「スラムダンクでいえば桜木花道がドリブルの練習をさせられているあたり」である。

主人公がフィールズ賞(数学界のノーベル賞と呼ばれる賞)取るまで何十巻も続くかどうかはともかく、最低限の物語の第一着地点までですらまだだいぶありそうだ。

ダイヤの原石であるハジメと、その周囲のひとびとの葛藤や相克がなかなか面白い。夢も何も諦めていたはずの内田であるが、ハジメが見せる天才的閃きの前に、思わず闘争心を目覚めさせられてしまったりもする。

ハジメはこの先、どこまで辿り着くのか。2巻のラストは「ハジメがスランプになったらしい」というところで終わるのだが、そういうのはいずれにせよ通過点であろう。先が楽しみである。

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