- 作品名:ファイアパンチ
- 作者・著者:藤本タツキ
- 出版社:集英社
- ジャンル:青年漫画
- 掲載誌:少年ジャンプ+
漫画「ファイアパンチ」はマンガ大賞2017にノミネートされた作品。とにかくぶっ飛んだ世界観とキャラクターが揃っている。この漫画を彩るキャラクターは祝福者と呼ばれ一般的な人間が持ち得ない特殊能力を有している。
首を切られても再生したり、相手が朽ちるまで消えない炎を出したり…しかも意外と描写がグロかったりする。表紙カバーを見ると洗練された格闘漫画っぽいイメージかもしれないが、そんなことはない。
ただ、ただ唖然とするような展開が続く。
単行本や電子版は1巻〜3巻まで発売中。ぶっちゃけると1巻は楽しめる。2巻は尻すぼみといった感じ。そして3巻でまた勢いが吹き返すような漫画になっている。表紙カバーで王道漫画っぽさが醸し出されているが王道漫画を意識して読むと泡を食うことになるだろう(笑)
漫画「ファイアパンチ」あらすじ
この漫画の主人公は切っても、切っても、ぐちゃぐちゃにされても体が再生する能力を有している「アグニ」といった人物。妹もいるが幼い頃にある王国の兵士に村ごと焼かれて妹も亡くす。アグニも当然、燃えるのだが驚異的な再生能力を持っているため体が炎で焼かれては再生を繰り返し、いつしか自分で多少はコントロールできるようになる。
炎人間と化すのだ。
そこから、村を…妹を殺した王国の兵士に復讐を果たすための冒険へと旅立つ。意外と当初の目標である復讐相手にはすぐに会えるのだが道中までに出会う人物は一癖、二癖もある人物ばかり。
アグニは無事に復讐劇を終わらせることができるのだろうか?
とりあえず主人公アグニの能力がチート級
主人公であるアグニは強力な再生能力をもつ祝福者。腕や脚を切断されてもすぐに生えてくる。まるでピッコロ。頭部だけになっても首から体が再生されるような人間。ただし痛覚はある。
そんな人間が序盤で相手が朽ちるまで消えることをやめない炎の能力まで手に入れてしまう。
ほぼ、相手に触れるだけでアグニは誰にでも勝ててしまう。そして死なない。まさに歴代稀に見るチート級の主人公。
ただし、喧嘩が強いわけではない。また銃などの遠距離武器によって何度もピンチ状態となる。作中では強いのか、弱いのかよくわからない。
また当初のアグニが生きる糧は村や妹を殺した王国:べヘムドルグの兵士である「ドマ」を倒すことだが途中でこの世界に負けたくないことが生きる糧になるなどまさに情緒不安定。
展開が読めないからこそ、この漫画は魅力があるのかもしれない。
登場キャラクターがぶっ飛んでいる
印象深いぶっ飛びキャラと言えば「トガタ」と言う人物。主人公アグニに惚れており、カメラ片手にアグニ主演の映画を撮ると言い出す。
2巻は主にトガタを物語の中心に据えて話が展開されていくが、超ぶっ飛びキャラである。
アグニの妹によく似た人物である「ユダ」といったキャラが登場するが、首を切り、海辺でアグニとトガタで頭部の取り合いをするシーンをまるで青春漫画のような描写で描いている。これには笑った。
とにかく登場するキャラ1人、1人が物凄く印象に残る。
途中から驚きの展開が…
この物語の舞台は寒さと飢餓と狂気に満ち溢れた世界。その世界を作り出したのは氷の魔女と呼ばれる祝福者となっている。しかし、300年の時を生きているトガタは何かを知っているようで作中では氷の魔女も王国の王様も全部嘘と言い放つ。
事実は世界が氷河期に入っており、人々を混乱させないために敵を作り、崇める王を作った偽りの世界といった展開になる。
そういったオチなのか…と思っていたら3巻の最後で「氷の魔女」が出てきてしまう。
とりあえず早く4巻が読みたい…
また作中でトガタは「アグニがいくら頑張ってもバッドエンドは変わらないなぁ〜」的なことを発言している。
応援したくなる主人公だけに結末がどうなるのか予想もつかないがバッドエンドになることを覆して欲しいと思えてくる。とにかく漫画を読むと第1話が非常にアツイが徐々に尻すぼみしていく感じになる。しかし、また勢いが上昇してきて面白くなってくる漫画である。
興味が持たれた方はぜひ、ファイアパンチを読んでみて欲しい。
※ネタバレ話集コーナーにて「ファイアパンチのネタバレ話集」を追加しました。ざっくりとファイアパンチの世界観、ストーリーを知りたい方はぜひ利用してください。
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