どん底人生がテーマのオムニバス漫画「下流風俗嬢」ネタバレ感想

漫画「下流風俗嬢」は「ストーリーな女たち」の読者投稿5作品が収められている一話完結型のオムニバス漫画。どの作品も「どん底人生」がテーマだ。

ごくごく普通の生活を送っている人々には、全く想像も付かないような人生ドラマが描かれていて、思わず息を飲んでしまうであろう。

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漫画「下流風俗嬢」ネタバレ

あたしがママよ！

ソープランドで働く「生駒」のエピソード。彼女は43歳という年齢にもかかわらず、見た目や格好がかなりブリブリだ。彼女はいつもポジティブで周りの目や陰口など一切気にせず、自分流を貫く女性であった。

彼女が何故そんなに自分に自信があるのか…。実は、昔ＡＶ女優をやっていた過去があるからなのだ。

その為、自分は「元芸能人」だと思い込み、周りのソープ嬢を「一般人」だと見下していたのであった。そんな彼女の元に1人の客が付いた。その客は「ＡＶ男優」だと名乗った。

彼女は即座に彼を気に入り、すぐさま同棲生活をスタートさせたのであった。だが、この男と出会ってしまってから彼女の人生は少しずつ変わっていってしまう。

そして、１５歳で出産したきり一度も会っていない息子の存在…。

更には母子相姦!？
彼女が選択する道は「女」か「母親」か！？

昼ドラにできそうなドロドロな内容で楽しませてもらいました。

下流風俗嬢

漫画の表題タイトルである「下流風俗嬢」は2話目に収録。主人公は風俗店で働く「サトユリ」だ。サトエリ並みのスマートさが売りだという彼女だが、実際の所は色気のないガリだ。

そんな彼女だが、お店ではもちろん人気がない。

たまにお客がついても「チェンジ」を要求される。ほぼお茶っぴきなのだ。だが、彼女には心を許せるただ一人の仲間がいた。彼女の名は「ぶーこりん」。名前通りおデブで彼女にはデブ専のお客しか付かない。

しかし、ぶーこりんはいつもポジティブで、いつもサトユリを気遣う優しさがあった。

そんな仲の良い２人であったが、ある事がきっかけでサトユリの心が歪み始めていった。ブスでガリで心まで汚れてしまったサトユリ…。一方でぶーこりんには幸せばかりが訪れる…。

この２人の行く末はいかに…是非、漫画でこの顛末の行末を確かめてもらいたい。

聞いて！私のどん底生活！！

ホームレスではないけれど、プチホームレスな生活を送っている「河原朋子」。ゴミをあさったり段ボールで寝泊まりはしないものの、スレスレの生活ぶりだ。

電車内で寝泊まりをし、パチンコ屋で顔を洗い、ホームレスから銭湯券を格安で手に入れ、見ず知らずのサークルの飲み会にくっ付いていき、ドサクサに紛れて食事をする。新しい洋服は銭湯の脱衣所から盗み出し、流行りのバックや小物は電車内の置き忘れを拝借してくる。化粧品は試供品で、分別ごみで手に入れた雑誌で読書を楽しむ。

こんな生活を送っているが「個人格安ヘルス」で収入もあるのだ。

しかし、ある時「性病」を移され病院に行く。しかし、薬代を払いたくない彼女は知恵を使ってタダで薬を手に入れることを考えた。

しかし、ここで警察に捕まってしまう。

留置所に入り、今までの人生を反省し涙した彼女であったが…出所後、彼女が起こした行動とは…！？

実録 おばちゃん水商売

若い頃から苦労を重ね続け、コツコツお金を貯める為に節約の日々。やっと念願叶って店を出す事が出来た「ちとせママ」。しかし、そんな彼女を悩ます人物が存在する。

それは店で働く「ミカ」といった女性だ。

ミカは水商売をよく理解していない若娘。お金の節約も考えず、店の経費を使い込む。早く辞めさせれば良かったものの、そうは出来なかった。結果的にちとせママは全てを失う事になった。

しかし、神様はちとせママを見捨ててはいなかったのだ。

果たして、どんなドンデン返しが待っていたのだろうか…。

ちょんの間哀歌

表向きは「お食事処」。だが実際は、客と仲居の自由恋愛がたてまえの「裏風俗」。そこが「ちょんの間」だ。そんなヤバイ所で働いているのが、このエピソードの主人公「田宮恵子」32歳。

10代の時にデキ婚した彼女には中学生になる娘がいる。

しかし、結婚当初から借金癖があるクズ夫が犯した過ちがきっかけで、こんなヤバイ所で働くハメになってしまった。恵子は娘を守るために嫌な事にも耐え続け、夫が作った借金を返済する日々。

そして、一刻も早くココを出て娘に会いたいと願う日々であった。

もう返済が終わりに近づいたある日、まだまだここからは抜け出せない事を告げられる。なんと恵子が一生懸命働いている間、夫は更に借金を重ねていたのだ。

そして、娘の無事も分からないまま、恵子は自身の病とも戦いながら働き続けた。全てを返し終わり、久しぶりに帰った我が家には娘の姿はなかった…。

娘はどうなってしまったのであろう…。
恵子に幸せは訪れるのか…。切ないヒューマンドラマである。

漫画「下流風俗嬢」感想

人を見る目がなく、人に騙されたり利用されたり…どん底な人生には、そんな人間関係が大きく関わってくるのではないのだろうか。そんな人間関係があったとしても、もっと自分自身が強くあり続けていたのならば、ここまで転落した人生は歩まずに済んだであろうと思う。

自分を見失わずしっかりと前を向き、幸せは自分の手で掴みとるしかないのだから。

なんだか人生の在り方や人間関係の大切さを再認識させられる漫画でした。普通は体験できないことですが漫画を通して様々な人生経験に触れることができる作品。非常に面白かったです。興味が出た方は是非！

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