漫画「お父さん、チビがいなくなりました」ネタバレ感想!夫婦の絆・ロマンにじんわりほろり!

お父さん、チビがいなくなりました
お父さん、チビがいなくなりました
作品名:お父さん、チビがいなくなりました
作者・著者:西炯子
出版社:小学館
ジャンル:女性マンガ

漫画「お父さん、チビがいなくなりました」あらすじ

結婚44年の老夫婦の、すれ違いと絆が描かれる。

何がどうというわけでもない、定年退職後の暮らし。子供は三人、既に巣立ちを終え、飼い始めて13年目になる黒猫が一匹。

ある日、猫がいなくなる。

もう寿命だ、死んだんだ、とそっけない夫。

なんとか行方を探そうと、探偵まで雇う妻。

ささいな行き違いから話はこじれにこじれ、とうとう熟年離婚の危機にまで達するのだが、結局、夫婦仲は元鞘というか元以上によくなり、猫も無事に帰ってきて、めでたしめでたしのハッピーエンドである。

漫画「お父さん、チビがいなくなりました」ネタバレ&感想

お父さん、チビがいなくなりました

絵柄からどこかで見たような気がする作家なので、調べてみた。キャリアは長く、多作で、ヒット作もあるが、知っている作品はそれではない。作品リストをつらつら眺めて、ようやく判明した。昔購読していた四コマ漫画雑誌に、『ちはるさんの娘』という漫画を描いていた漫画家であった。

詳述はしないが、老いてなお溌剌(ハツラツ)とした80過ぎの母とアラフォーのバツイチ娘の漫画である。

この漫画にも、似たような雰囲気がある。こちらの漫画にも、老夫婦の娘として、37歳の娘というのが出てくる。巣立ちを終えているが、片付いてはいない。社内恋愛をしていたのだが、出世して課長になったら彼氏が部下になってしまい、「相手が上司っていうのはちょっと」とか言って振られてしまうのである。

だがその後、すぐに新しい男ができる。一見無精&ものぐさ風に見えて実はすごい肉食系バリバリの部下(だいぶ年下)が猛アプローチしてきて、アラフォーと結ばれるのである。しかも、その部下が、両親であるところの夫婦の事情まで聞き込みをして、事態を解決してしまうのだ。

前後するが、話を戻そう。

老夫婦である。倦怠期というのとはちょっと違うが、なんとなく、しっくりいっていない。妻は「旅行にでも行きたいわー」とか言ってるのに、夫の方は生返事しかしない。

行く気がないのかと思ったら、しばらく後、夫は旅行券のようなものを片手に、しかしそれについて言い出せずにいる。要するに、不器用なタイプなのだ。

老夫婦もののよくあるパターンとして、なれそめの話なども入る。見合い結婚なのだが、見合いをする前から二人は知り合いであった。なんか、売店の店員とその客、程度の関係ではあるのだが、夫になるところの男性は、いつも妻になるところの女性とは別の店員と会話をしていた。

で、彼はその店員のことが好きなのだろうと思っていて諦めかけていたところに、見合いの話が組まれたのである。たぶん偶然で。

44年、夫婦をやっていたのにも関わらず、そのあたりの意志のすり合わせを、この夫婦は一度もやっていなかったらしい。で、妻の方は、自分たちには愛がないのだと、44年も経ってから今更考えるようになり、娘に「離婚する」と打ち明け、さらに夫に「離婚してください」と迫る。

ところが結局、店員の女性の方がその客を好きだったというのはいいとして、客の方も、「恋情のあまり本人には話しかけられず、仕方ないから別の店員に話しかけていた」のだそうだ。

それはいいのだが、その話を、44年目にして初めて、お互いに打ち明けるのである。それで、めでたしめでたし、というわけである。

ジャンルとしては、何でしょうね。少女というような年齢のキャラクターは出てこないが、掲載誌を見るとフラワーズの季刊増刊版とある。フラワーズというのは小学館の少女漫画誌である。

なんていうか、ご都合主義と言ってしまえばそれまでともいえるのだが、人生に対する、少女漫画的なロマンの詰まった作品ではあったと思う。

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